今日の1枚(221)

ロシアのビックリ指揮者、ゴロワノフの2枚目はオール・リストの交響詩と言う珍しい内容。有名な前奏曲が含まれていないのが不思議ですが・・・。1枚目のオルフェウスと併せてリストの交響詩を5曲も聴ける配信になっています。
全て1枚目と同じモスクワ放送交響楽団との演奏で、かなり固目で荒っぽい印象のモノラル録音。ゴロワノフの指揮の特徴については前回書いた通りで、ここでも何ら変わるところはありません。ただ曲が曲だけに比較する音盤も少なく、彼の特異性は余り目立たないかもしれません。

①リスト/交響詩「英雄の嘆き」
②リスト/交響詩「マゼッパ」
③リスト/交響詩「祭典の響き」
④リスト/交響詩「プロメテウス」

手元のWERM (World Encyclopedia of Recorded Music) は全3巻で、LP初期の1955年までに英国で発売されたレコード音楽の総カタログとでも言うもの。ゴロワノフのリストは②と④が掲載されていますが、①と③は未収録。恐らくその後に発売されたものでしょう。

②と④は1枚のLPにカップリングされていたもので、ソ連国立出版の D 1473 の品番で出ていました。
他にWERM記載のリストでは、交響詩「ハンガリア」と交響詩「フン族の戦い」がカップリングされた D 1724 というものと、交響詩「タッソー」とラヴェルのボレロが組み合わされた D 01502 がありました。
リストの所謂交響詩は全部で13曲、ゴロワノフはその内少なくとも8曲を録音していることになりますが、前奏曲を含む5曲も録音したのかどうかについては調べがつきませんでした。

プロメテウスにはゴロワノフが好きなホルンのゲシュトプフ奏法をリストが指示している個所が前半と後半に2か所出てきますが、それとは別に練習記号Fの5小節目をゲシュトプフにしているのが指揮者の趣味でしょう。

参照楽譜
①オイレンブルク No.454
②オイレンブルク No.452
③オイレンブルク No.453
④オイレンブルク No.451

 

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