今日の1枚(227)

今年最後の日記は、音盤カテゴリーの「今日の1枚」からブッシュの2枚目となりました。10月からNMLで配信されることになったEMIの「20世紀の偉大な指揮者たち」シリーズを順に聴いてきましたが、これで残すところ5人。
出来れば1月中にシリーズ完結編を迎えたいと思いますが巧く行くかどうか、来年も宜しくと言うことで今年の締めに入りましょう。

①ウェーバー/歌劇「魔弾の射手」序曲
②ハイドン/協奏交響曲変ロ長調
③ブラームス/交響曲第2番
④リヒャルト・シュトラウス/交響詩「ドン・ファン」

①~③はデンマーク国立放送交響楽団、④はロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、もちろん全てモノラル録音。1枚目には当シリーズで初めて聴いたライヴ録音が多く含まれていましたが、2枚目の4曲は全てSP盤で発売されていたものの復刻になります。

①はテレフンケンから発売されたSPで、初出は SK 16012 という品番の2面。以前に紹介したビーチャムのようなぶっ飛び演奏とは対照的に、手堅く纏められた如何にも質実剛健ドイツ風演奏に貫録を覚えます。

②は録音日付が判っていて、1951年1月26日と27日の演奏とのこと。英HMVから発売された C 4122/4 のSP3枚5面に収録され、第6面にはモーツァルトのコントル・ダンスK609の第1・2・4番がフィルアップされていました。もちろんモーツァルトもブッシュ指揮デンマーク国立放送響の演奏。
ハイドンの協奏交響曲はオーボエ、ファゴット、ヴァイオリン、チェロの独奏と管弦楽のための作品で、ソリストはWERMによると、オーボエがワルデマール・ウォルジング W.Wolsing 、ファゴットがカール・ブロッホ C. Bloch 、ヴァイオリンはレオ・ハンセン L.Hansen 、チェロがアルベルト・メディチ A.Medici と記載されています。NML配信ではそこまでのデータは示されていません。
この作品はいわゆる旧版とロビンス・ランドンが編纂したクリティカル・エディションではかなりの相違がありますが、ブッシュの演奏はクリティカル・エディションを採用しており、当時としては進取の気性に富んだスタイルと言えるでしょう。

③は1947年の録音で、英HMVから C 4006/9 のSP4枚8面で出ていたもの。当然ながら収録時間の関係から、第1楽章の繰り返しは実行していません。

④は当配信の中では最も古い録音と思われ、別資料によると1936年7月6日から8日までの3日間、ロンドンのアビー・ロード・スタジオで収録されたものの由。最も古いもののデータが一番シッカリしているというのも皮肉ですね。
初出は英HMVの DB 2897/8 のSP2枚4面。古色蒼然たる音質ですが、演奏はブッシュらしい楽譜に忠実でロマン性を排除した手堅いもの。作曲者と親しかったこともあり、シュトラウス自身の指揮振りに共通する所があるようです。

参照楽譜
①オイレンブルク No.915(歌劇全曲版)
②フィルハーモニア No.805
③フィルハーモニア No.131
④ペータース Nr.4192 b

 

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