止まらぬラムゼー夫妻の快挙

今年第3週のアメリカ競馬、昨日はルイジアナ州でダービーへのキックオフ開催が行われました。カリフォルニア伝統のG戦と併せ、レポートして行きましょう。

先ずはルイジアナ州フェア・グラウンズ競馬場から。この日は1日5鞍のステークスが組まれ、ケンタッキー・ダービーへの壮行会の様相を呈していました。内G戦は2鞍で、先ずはカーネル・E・R・ブラッドリー・ハンデキャップ Col E.R.Bradley H (芝GⅢ、4歳上、8.5ハロン)。soft の馬場に1頭が取り消して8頭立て。11月8日にチャーチル・ダウンズのリヴァー・シティー・ハンデ(芝GⅢ)を制したヴィランドリー Villandry が2対1の1番人気。これまでのロプレスティ厩舎からデヴィッド・キャロル厩舎に転じての初戦も飾りたいところでしょう。
2番人気(5対2)のジェントルマンズ・キッテン Gentleman’s Kitten が一時は後続に5馬身差を付けて逃げましたが、これを単騎2番手で追走した3番人気(3対1)のストリング・キング String King が直線で外から捉えると、後方2番手から追い込む4番人気(5対1)のハイボール Highball に1馬身4分の1差を付けて優勝。ハナ差の3着にはジェントルマンズ・キッテンが逃げ粘り、3番手を追走したヴィランドリーは直線で6着に沈んでしまいました。
勝馬を管理するチャールズ・クレイグ・スミス師は、同馬のオーナー・ブリーダーでもあります。ジェームス・グレアム騎乗。ストリング・キングは一昨年のこのレースで2着、去年も4着に逃げ粘っていた地元ルイジアナ産の7歳せん馬で、3歳から毎シーズンの様にステークスに勝ってきましたが、G戦は今回が初勝利です。

ルイジアナのメインは、ケンタッキー・ダービーへのポイント対象となっているルコント・ステークス LeComte S (GⅢ、3歳、8ハロン70ヤード)。fast の馬場に11頭が参戦し、前走ケンタッキー・ジョッキー・クラブ・ステークス(GⅡ)で、現在21ポイントでトップに立っているエル・カビア El Kabeir の3着したイーグル Eagle が3対1の1番人気。
レースはクラブハウス・ターンで先手を取った3番人気(4対1)のティズナウ・アール・ジェイ Tiznow R J 、これを向正面で交わした伏兵(99対1)ヒーロー・オブ・ヒューモア Hero of Humor 、更には競り掛けた4番人気(5対1)のランハッピー Runhappy などが入れ替わる激しい逃げ争い。直線では再び盛り返したティズナウ・アール・ジェイと中団から進出した4番人気(5対1)ウォー・ストーリー War Story の叩き合いになりましたが、前半5番手の内で我慢していた7番人気(9対1)のインターナショナル・スター International Star が内ラチ沿いから抜けようとするも前が開かず、思い切りよく外に出すと、前2頭を一気に交わして2馬身半差を付ける快勝。2着争いは頭差、ウォー・ストーリーがティズナウ・アール・ジェイを抑えていました。大外枠発走の本命イーグルは終始8番手の外を通る苦しい展開となり、直線は伸びず7着敗退に終わりました。
マイケル・メイカー厩舎、ミグェル・メナ騎乗のインターナショナル・スターは、本命馬と同じケンタッキー・ジョッキー・クラブ・ステークス参戦も4着。10月5日にカナダのウッドバイン競馬場でグレイ・ステークス(カナダGⅢ)に勝ったことによりペナルティー加算の122ポンド(トップ・ハンデ)を背負っていました。夏のサラトガではウィズ・アンティシペーション・ステークス(GⅡ)2着の実績もありましたが、アメリカのG戦はこれが初勝利、ダービーへの10ポイントを獲得しています。ところでこの日は全米の各種アワードの投票日、去年の年度代表生産者とオーナーにはラムゼー夫妻が選出されたばかりですが、インターナショナル・スターも夫妻の所有馬。2015年度のタイトル争いに向け、幸先良いスタートを切ったことにもなります。今年はこの馬でケンタッキー・ダービー制覇か。

 

続いてサンタ・アニタ競馬場からは、かつてGⅠに格付けされていたこともあるラ・カニャーダ・ステークス La Canada S (GⅡ、4歳牝、8.5ハロン)。fast の馬場に1頭が取り消して7頭立て。これがダート・コースのデビューながら、カナダの女傑、牡馬を蹴散らしてクイーンズ・プレートに勝ち、ハリウッド・ダービー(芝GⅠ)でもダービー馬カリフォルニア・クローム California Chrome の2着したレクシー・ルー Lexie Lou がイーヴンの1番人気。
レースは2番人気(8対5)のジョジョ・ウォリアー Jojo Warrior が後続をやや離しての逃げ、レクシー・ルーは4番手に待機します。第4コーナーで2番手に付けていた3番人気(6対1)のザガールインザットソング Thegirlinthatsong がスパートし逃げ馬を捉えると後は独走。漸く2番手に上がってきた本命レクシー・ルーに4馬身4分の1差を付ける圧勝劇でした。逃げたジョジョ・ウォリアーは最後で頭差交わされての3着。
ジェリー・ホーレンドルファー厩舎、ラファエル・ベハラノ騎乗のザガールインザットソングは、8月末にデル・マーのトーリ・パインズ・ステークス(GⅢ)では逃げ切ったジョジョ・ウォリアーの3着したことのある馬。今回は逃げ馬を捉えてのG戦初勝利となります。

 

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