バファート師、9勝目のサン・ヴィセンテ

2月の第1日曜日、アメリカのスポーツ界はスーパー・ボウルに釘付けになります。この時間ばかりは、他のスポーツにとってテレビ中継は鬼門、競馬も例外ではありません。
英国では「Sports of the Kings」、アメリカでは「King of Sports」と呼ばれた競馬ですが、ベースボールに抜かれ、今ではアメリカン・フットボールにも差を付けられ、かつてはアメリカ最大のファン層を持っていた競馬も凋落と言わざるを得ないのでしょうか。

それでも競馬は予定通りサンタ・アニタ競馬場でも開催され、この日唯一のサン・ヴィセンテ・ステークス San Vicente S (GⅡ、3歳、7ハロン)が行われました。日本ではカリフォルニアは時差が大きいこともあってメイン・レースの結果が入ってくるのは翌日の午前も遅い時間になってからですが、この日ばかりはスーパー・ボウル中継とのバッティングを避けるため、フットボールのキックオフ2時間前に前倒しとなっていました。ですからこの時間で結果をアップできる次第です。第74回今年は2頭が取り消して6頭立て。去年のBCジュヴェナイルを後方から差し切ったテキサス・レッド Texas Red が今期デビュー戦を迎え、3対5の1番人気に支持されていました。
レースは逃げ馬で3番人気(5対1)のセーヴィアン・サイクロン Servian Syclone が逃げ、テキサス・レッドはマイポジションとも言える最後方待機。好スタートから3番手に控えた5番人気(23対1)のサー・サムソン Sir Samson が直線で先頭に立ちましたが、内の4番手を追走していた2番人気(9対5)のロード・ネルソン Lord Nelson が外を回って伸びると、直線では内ラチ沿いに進路を取って追い込む本命テキサス・レッドに首差を付けて優勝。最後で交わされたサー・サムソンが4分の3馬身差の3着に入りました。敗れたとは言えテキサス・レッドは他馬より5ポンド重い負担重量を背負っており、BCジュヴェナイル勝馬は負けてなお強しの印象、今年のクラシックを狙う有力候補であることには変わりありません。
ボブ・バファート厩舎、ラファエル・ベハラノ騎乗のロード・ネルソンは、テキサス・レットを除けば出走馬中唯1頭のステークス勝馬。去年10月にサンタ・アニタの一般ステークス(スピークイージー・ステークス)に勝っており、前走11月のケンタッキー・ジョッキー・クラブ・ステークス(GⅡ)では1番人気になりながら5着と期待を裏切っていました。この馬もこれが3歳のデビュー戦で、通算では5戦3勝となります。3勝全てがスプリントというのが課題で、8.5ハロンの前走で凡走しているのが気になるところでしょう。
なおバファート師は、このレース何と9勝目。2011年から2013年までは3連覇しており、最近5年間で4勝と言う圧倒的な強さを誇ります。もちろんこのレース9勝は歴代最多。ベハラノ騎手は2008年のコージー・ボーイ Corgie Boy に次いで2勝目でした。

 

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