読売日響・第579回サントリーホール名曲シリーズ
2月は演奏会が少ないのでこれを聴いてきました。というのはもちろん嘘で、追っ駆け指揮者・広上淳一が振る首都圏コンサートは出来るだけ聴きたいから。
ハチャトゥリアン/組曲「仮面舞踏会」~ワルツ
ショスタコーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲第1番
~休憩~
ショスタコーヴィチ/交響曲第5番
指揮/広上淳一
ヴァイオリン/ボリス・ベルキン
コンサートマスター/小森谷巧
フォアシュピーラー/長原幸太
かつては私も読響サントリー名曲の会員でしたが、色々な理由で退会、昨日は久し振りのマチネーです。不思議なことに回数では定期演奏会より勝っている名曲シリーズ、一回券では良い席が手に入らないだろうと思いきや、意外にも絶好の鑑賞ポイント。名曲を十二分に堪能してきました。
演奏に付いての感想は改めて書くまでもないでしょう。ベルキン/広上の競演はこのショスタコーヴィチも含めて何度も聴いてきましたし、今回も真にスリリングな名演。
第1協奏曲が少し前の第10交響曲の双子の兄弟であることも確認しました。第2楽章の主題は、第10交響曲の第3楽章と同じモチーフを姿を変えたものだし、「レミドシ」が堂々と奏されるのも同じ。
協奏曲単独で考えても、いくつかのテーマが楽章を通して出てくる所謂循環形式の傑作。何度聴いても飽きない名曲を、ソリストと指揮者の息がピタリと合った演奏で聴くのは最高の贅沢でしょう。
第5交響曲を広上指揮で聴くのは久しぶり。以前に確か急病の大野和士のピンチヒッターで聴いた時(東フィルだっけ)には、最後の終結をリタルダンドせずに一気に捲し立てたのに吃驚した覚えがあります。
今回は極めて真っ当、安心して聴いていられる解釈でしたが、第1楽章「恐怖」、第2楽章「自虐」、第3楽章「祈り」、第4楽章「怒り」というコンセプトは同じだったと思います。
アンコールはチャイコフスキーのアンダンテ・カンタービレ。
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