今日の1枚(247)

今日は久しぶりにオーケストラを聴きましょう。私はクァルテット好きなのでどうしてもそちらに目が行ってしまいますが、今朝の新着アルバムからは録音の良さを売り物にしているレーベルを紹介します。
1976年創立で、HDCDの発明者でもあるキース・ジョンソン博士がチーフ・エンジニアを務めているアメリカのリファレンス・レコーディングス Reference Recordings の最新盤で、FR-713SACD 。

マンフレッド・ホーネック Manfred Honeck 指揮、ピッツバーグ交響楽団の演奏でブルックナーの交響曲第4番。ピッツバーグの Heinz Hall for the Performing Arts での録音で、NML配信では録音年月日のクレジットはありません。
タイトルには1886年稿ノヴァーク版とありますが、これがやや疑問。ブルックナー研究家ではないので大きなことは言えませんが、通常演奏される第4は1878/80年の通称第3稿で、他に第1稿は1874年、第2稿が1878年、最後に第4稿として1888年の改訂稿があったはず。ここで謳われている1886年稿というのは知りませんでした。
私の手元には第3稿のハース版とノヴァーク版、一番古い第1稿と新しい第4稿の4種類のスコアがありますが、年代の近い第4稿のことかと思ってこれを開いて聴き始めましたが、直ぐに通常の第3稿であることに気が付いたため、音友のノヴァーク版を出してきて最初から聴き直しました。

全曲を通して聴いてみて、これは通常の1878/80年稿のノヴァーク版と断言して良いでしょう。ただハース版にない加筆が2か所、第1楽章第325小節と、第4楽章329小節にティンパニが加えられています。これを以て1886年稿と呼ぶのでしょうか?
もう一点、第2楽章の最後から4小節目と5小節目に掛かるヴィオラの持続音は、ブルックナー自身の指定に基づいてトリルにはしていません。

これまで数多く聴いてきたナマ演奏、録音盤に比べて耳新しく聴こえるのは事実で、高音質録音故もありましょうが、ホーネックがやたらに金管を強奏させず、普段は覆われがちなパートにも留意して注意深く再現しているからだと思います。決して別稿による為ではありません。
一昔前の重く壮大なブルックナーではありませんが、スクロヴァチェフスキのように分析的な臭いがしないのは、やはりホーネックがウィーンっ子で、楽曲を良く歌わせているからでしょう。

リファレンス・レコーディングスの音源は、今日現在で80点ほどが配信中。どれも高音質なのが嬉しい所で、大植英次とミネソタ管、野島稔のリサイタル盤など日本人演奏家も名を連ねています。もちろんスクロヴァチェフスキ/ミネソタ管のブルックナー第9交響曲も聴けますよ。

 

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