今日の1枚(34)

昨日の暖かさの所為か、今朝は寒く感じます。ジョウビタキを何羽も見掛けましたし、ツグミ、ムクドリなど普段あまり見ない鳥の姿も目立ちました。
ヤマバトが繁殖鳴きを始めたのもニュース。例の“集中力競争”を今年初めて耳にしました。
ベイヌムの1枚、今日はこれです。

①バッハ=ブゾーニ/ピアノ協奏曲二短調BWV1052
②ブラームス/交響曲第1番ハ短調作品68

①は1947年10月2日、ピアノは名手ディヌ・リパッティ。
②は1951年10月25日の収録。

①はシリーズに使われているガラス・ディスクではなく、個人が放送を私的に録音した音源だそうです。ということは、放送局にはオリジナルのディスクが残っていないということでもあります。
驚くのは、1947年の時点で放送をプライヴェートにエア・チェックしていた人物がいたこと。どのような手段で録音したのでしょうか。

リパッティとベイヌムの競演ということで、この録音が1975年に発見されたことはセンセーショナルなニュースでした。
この演奏会でリパッティはラヴェルも弾いたそうですが、残念ながらその録音はないようです。
後に一般向けに販売されたためでしょうか、録音にはエコーがかけられており、他の録音とは若干印象が異なります。

リパッティが取り上げているのはブゾーニがピアノ用にアレンジした版。独奏パートを合奏とソロに明瞭に分離し、特に高音部の音域を広げた編曲になっています。
現代のオーセンティックな演奏しか受け付けない人には薦められませんが、この時代の極めてスタイリッシュなバッハ演奏。

②はベイヌムにとって因縁のブラームスです。今から50年前、この作品の第2楽章をリハーサル中に心臓発作を発症、ベイヌムは帰らぬ人となったのでした。
ここに収録されている演奏は、デッカに正規録音した半年後のライヴ。基本的には速めのテンポを守った熱演。
ここでのオーボエは、首席奏者 Haakon Stoijn (何と読むのでしょうか)で、デッカ盤と同じだそうです。
この時既にベイヌムは心臓疾患を抱えていた由。1950/1951シーズンはほとんど指揮台に立っていないのだそうですね。

録音は残念ながら第4楽章の再現部で音量がガクンと落ちる箇所があり、特に低音部が物足りなくなるのが瑕。
第269小節と270小節の木管に習慣的なホルンの加筆があります。

参照楽譜
①リー・ポケット・スコア LPS97(オリジナルのハープシコード協奏曲版)
②ユニヴァーサル(フィルハーモニア) No.130

 

Pocket
LINEで送る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください