今日の1枚(248)

2月も残り少なくなってくると、当ブログの本題である競馬が忙しくなってます。寒い時期の暇つぶしの意味も兼ねて日々聴いてきたクラシック音楽のCDですが、聴いて書いてという時間的余裕が乏しくなってきました。
ということで再び冬が訪れるまで、このコーナーは極めて散発的にならざるを得ません。

今日はNML配信の音源ではなく、何年かぶりにナマのCDを聴いた印象を印しておきましょう。一般的には未だ発売されていない(と思いますが)出来立てほやほやのCDをパソコンに取り込んで聴いてみました。
クァルテット・エクセルシオの最新盤で、

①スメタナ/弦楽四重奏曲第1番ホ短調「わが生涯より」
②ヤナーチェク/弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」
③ヤナーチェク/弦楽四重奏曲第2番「内緒の手紙」

平成21年1月から演奏活動をNPO法人として継続しているクァルテット・エクセルシオは、毎年の初めに通常社員総会を開いて事業報告書と決算を承認しています。弦楽四重奏をNPO法人の形で運営するのは日本ではエクだけですが、欧米ではよく行われているとのこと。エクセルシオの試みは言わば実験的なものですが、その意味でも我が国クァルテット界の最前線に立つ団体と言えるでしょう。
私的な感想ですが、やはりこの形にしてから活動は更に活性化し、演奏自体にも他の団体には無い独特な緊張感が産まれているようです。それが広く社会からも認知され、去年末のダブル受賞にも繋がったのではないでしょうか。

先日の総会の場で初めて披露されたのが、今日取り上げるチェコ作品による新盤で、ライヴノーツから出るCDは第1弾のボロディン2番とドヴォルザーク/アメリカ、昨秋のベートーヴェンの127と135に続く早くも3枚目。録音活動も急ピッチで進んでいます。
議案書によれば既に第4弾も録音済みですし、今年度も録音予定がキッチリと設定されているようです。特殊な現代作品の録音を除けば、一般的で純粋に弦楽四重奏曲レパートリーのCDはこれで5枚目と言うことになるでしょう。ライヴノーツの音盤はジャケットが統一されているのも魅力で、“まだまだ続くぞッ”という意気込みすら感じられるではありませんか。
ファンにとっては録音場所が毎回異なるのも音質聴き比べ的に楽しい所で、ボロディン/アメリカが富士見市、ベートーヴェンは相模原だしたが、今回は埼玉県の三芳町文化会館コピスみよし、でのもの。去年(2014)の9月17日と18日、プロデューサー/岩永直也、ディレクター/満川隆、エンジニア/池田高史の各氏が担当された録音です。

実際に聴いてみると、かなり音場を広く取ったもので、会場の豊かな残響を巧みに取り入れていて心地よいもの。最近のクァルテットの録音はマイクに近く、かなりデッドなものが主流の様に感じますが、今回の録音には極めて音楽的な広がりを感じました。
3曲ともこれまで何度もエクが取り上げてきたレパートリーで、演奏もすっかり手の内に入った純度の高い名演。今年の総会のプレ・コンサートで「内緒の手紙」を聴いたばかりの耳にとっては、良く知る奏者たちの表情まで思い出されるようで、ライヴ感が横溢した1枚と言えるでしょう。
ヤナーチェクの2曲は、もちろん最新の校訂版による演奏。エクを良く知るファンも、未だ聴いたことが無いクラシック・ファンにもお薦めです。

 

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