マイル古馬戦線に新星

先週末に行われたヨーロッパ競馬のG戦、昨日纏めてアップする積りでしたがアメリカ競馬レポートだけで疲れてしまい、今日に回すことにしました。
復活祭と、その翌日に行われたフランス競馬を順に取り上げていきます。

先ずは4月5日の日曜日、復活祭当日にサン=クルー競馬場で行われたエドモン・ブラン賞 Prix Edmond Blanc (GⅢ、4歳上、1600メートル)から。
この時期の競馬らしく馬場は very soft 。9頭が出走し、昨シーズン末から今シーズン初めにシャンティーとサン=クルーのリステッド戦に2連勝しているメナルデー Menardais が11対8の1番人気。

4番人気(7対1)のモガディシオ Mogadishio が逃げ、先行馬群に付けていたメナルデーが残り300メートルで先頭に立ち順調に決まるかに見えましたが、中団の内で我慢していたブービー人気(16対1)のカルサ Kalsa が外に出して末脚を爆発、本命馬を4分の3馬身差し切って波乱を演出しました。1馬身差の3着にも最低人気(20対1)のディエゴ・ヴァロー Diego Valor が食い込んでいます。
勝ったカルサは、これまでほとんど注目されることのなかった4歳牝馬ですが、これが未だ5戦目とキャリアの浅い馬。ロベール・コレ厩舎、グレゴリー・ブノア騎乗で、G戦そのものが初挑戦でした。2歳時は1戦して7着(8月のドーヴィル)のみ、去年も僅か3戦で、3月にローカル競馬で初勝利(スミオン騎乗)を挙げたあと休養に入り、漸く10月のメゾン=ラフィットでリステッド戦に挑戦するも又しても7着。シーズン末の11月下旬には再びローカル競馬(フォンテンブロー競馬場)で3歳牝馬限定のリステッド戦に勝ったというのがこれまでの戦績の全てで、走ったのは全てが重馬場、勝ち距離も7ハロンと9ハロンでした。
同馬のオーナーはジェームス・オールドハム氏で、英国でサガロ Sagaro やフィダルゴ Fidalgo で有名だったジェリー・オールドハムの息子に当たり、言わば名門でしょう。血統も興味深いもので、彼女の全姉は2012年の仏1000ギニーで3着したトピカ Topeka 。この年の勝馬はディープ産駒のビューティー・パーラー Beauty Parlour で、未だ記憶されている方も多いと思われます。

カルサが重馬場故のフロックで終わるのか、奥手の素質が開花して古馬牝馬戦線に新風を吹き込むのか、今後の動向に注目しましょう。

 

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