GⅢに昇格した短距離戦

昨日のヨーロッパは英仏でG戦が行われましたが、今年から国別に記事を分けることにしました。ということでこちらは4月15日にフランス、シャンティー競馬場で行われたG戦です。

レース名はシジー賞 Prix Sigy (GⅢ、3歳、1200メートル)、ほとんどの人は初めて聞くレース名だと思いますが、実は去年までリステッド戦だったもの。今年からGⅢに格上げされたようです。
フランス・ギャロが発刊している今年のカレンダーにも掲載されていませんから、当欄でも未だ経緯などは判っていません。フランスは伝統的に短距離が弱体と言われてきましたから、その強化の目的があるのかも知れません。

レースに冠されているシジーは1978年にフランスの短距離王者だった馬で、その年のアベイ・ド・ロンシャン賞に勝っています。古いファンは覚えておられることと思います。
ということでGⅢとしては第1回となる今年のレース、good to soft の馬場に11頭立てで行われました。去年ボア賞(GⅢ)の勝馬で、その後はG戦で4連敗していたゴーケン Goken が21対10の1番人気。

しかし結果は大波乱で、ゴーケンは快調に逃げたものの最後は後続に捕まって3着。勝ったのは何と最低人気(53対1)のエル・ヴァール El Valle という馬で、短首差の2着も5番人気(106対10)のフィンスバリー・スクエア Finsbury Square 。ゴーケンはこの2頭に半馬身交わされていました。やはりフランス短距離界は3歳戦と雖も焦点が定まらないようです。

ミケール・バルザロナ騎乗で勝ったエル・ヴァールという馬は、ヴァレリー・ディソーという女性が生産・所有し、おまけに調教まで行っているという変わり種で、ディソーさんはマドモワゼルでもあります。残念ながら年齢は判りません。これが13戦目と評価は既に定まった感のあった同馬ですが、ローカルのフォンテンブロー競馬場で初勝利を挙げた馬、G戦は去年のエクリプス賞(GⅢ)に一度だけ挑戦したことがあり、6着に終わっていました。
ディソー嬢は同馬の父ドビー・ロード Dobby Road も供用しているそうですが、この余り馴染無い種馬は2001年に短距離GⅢのダレンベルク賞に勝った馬。このダレンベルク賞は彼のシジーも1978年に勝ったレースで、第1回シジー賞の勝馬には最も相応しかったと言えるかもしれませんね。

 

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