待っていた重馬場
エプサムのクラシックが終わった英国競馬、次なる話題はロイヤル・アスコットですが、その前に6月10日、ヘイドック競馬場でG戦が2鞍行われました。去年はダービー前に行われていた開催です。
総選挙がメイ首相の思惑外れに終わり、ブリクジットが競馬に与える影響は少なくないようですが、今はその話題は措くとして・・・。
この日の馬場は雨で soft 、先ずピナクル・ステークス Pinnacle S (GⅢ、4歳上牝、1マイル3ハロン75ヤード)は2頭が取り消しての9頭立て。去年まで英国のデヴィッド・シムコック師が管理していたバティール Bateel が2対1の1番人気。
スタートで先手を切ったのは3番人気(7対1)のドゥブカ Dubka でしたが、1ハロン進んだところからは6番人気(16対1)のアイランド・リミードがハナを奪ってドゥブカは2番手に控えます。前の攻防を4番手辺りで見ていたバティール、前が開くのをジックリ待って追い出すと、粘るドゥブカを1馬身半突き放して人気に応えました。3番手を進んでいた2番人気(11対4)のアジマン・プリンセス Ajman Princess が2馬身4分の3差で3着。
勝ったバティールは、今年初めにフランスのフランシス=アンリ・グラファール厩舎に転厩した5歳馬で、リチャード・キングスコート騎乗。フランスに拠点を移したのは、あくまでも重馬場になる機会が多いことを求めたためで、古巣の英国でも得意の馬場になれば遠征してこようと言う選択肢です。
今期はフランスのバルべヴィユ賞(GⅢ)3着と予定通りのスタートを切り、これがシーズン2戦目でのG戦初勝利。秋はポモヌ賞(GⅡ)に目標を置いており、10月アスコットのチャンピオン・シリーズでも、去年は13着最下位に敗れたフィリー・アンド・メアに遠征してくる可能性が高いとのことでした。
続いてはジョン・オブ・ゴーント・ステークス John Of Gaunt S (GⅢ、4歳上、7ハロン37ヤード)。こちらも取り消しが1頭あって8頭立て。前走ロッキンジ・ステークスで3着、昨秋にパーク・ステークス(GⅡ)に勝って5ポンドのペナルティーが科せられているブレトン・ロック Breton Rock が11対4の1番人気。
7番人気(16対1)のザット・イズ・ザ・スピリット That Is The Spirit が単騎スタンドから遠い側を逃げましたが、スタンド寄りのグループを引っ張るのは3番人気(6対1)のジャロタ Jallota 。中団に待機した同じ3番人気のアブソリュートリー・ソー Absolutely So が抜け出し、逃げるジャロタを半馬身捉えての優勝。先行した6番人気(8対1)のソー・ビラヴド So Beloved が首差の3着に食い込み、後方で待機したブレトン・ロックは負担重量と馬場もあって5着と届きませんでした。
アンドリュー・ボールディング厩舎、デヴィッド・プロヴァート騎乗のアブソリュートリー・ソーは、前走同じヘイドックの同じ距離で行われたリステッド戦(スプリング・トロフィー)で2着しており、コースのスペシャリストでもある7歳せん馬。2015年のこのレースでも3着しており、得意のコースでG戦初勝利となりました。
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