2013クラシック馬のプロフィール(3)

クラシック馬の血統、第3回はフランス2000ギニーを制したスタイル・ヴァンドーム Style Vendome を取り上げましょう。
父アナバー Anabaa 、母プレイス・ヴァンドーム Place vendome 、母の父ドクター・フォン Dr Fong という血統です。毛色は芦毛、母から受け継いだものでしょう。

アナバーについては改めて紹介するまでもありませんが、ノーザン・ダンサー Northern Dancer 系でも父ダンジグ Danzig のスピードを受け継いだチャンピオン・スプリンター。しかし産駒には父を凌ぐスタミナを持った馬が多く、仏ダービー(当時は2400メートル)のアナバー・ブルー Anabaa Blue 、BCマイル3連覇の名牝ゴールディコヴァ Goldikova が代表。
アナバーは2009年7月に死亡しましたから、スタイル・ヴァンドームはその最後の世代ということになるでしょう。

母プレイス・ヴァンドーム(2004年、芦毛)は13戦3勝。勝鞍は2歳時にローカル競馬とメゾン=ラフィット競馬場で3連勝したもので、距離は1200メートルと1300メートルでのものでした。
G戦については3歳時に2度挑戦、何れも5ハロンの短距離戦で、グロ・シェーヌ賞9着、プティ・クーヴェール賞5着という結果が残っています。

3歳で現役を引退し、繁殖入りしたプレイス・ヴァンドームの初産駒はヴァンドーム・パレス Vendome Palace (2009年 牡 父バラセア Barathea)。8ハロンから11ハロンまで走り、5戦未勝利というのが現時点での成績。現在4歳ですから、未だ現役でしょう。
従ってスタイル・ヴァンドームは母の2番仔、繁殖牝馬としてはキャリアーをスタートさせたばかりです。

2代母メディーヴァル Mediaeval (2000年 芦毛 父メダーリー Medaaly)は未出走馬。その繁殖成績もほとんど報告されておらず、あるいは早逝したのかも知れません。その辺りは調査が行き当たりませんでした。
調査できた限りでは、プレイス・ヴァンドームが彼女の初産駒で、2005年生まれのミアレフト Mirleft (鹿毛 牡 父アナバー)は11戦1勝。勝鞍はドーヴィル競馬場での11ハロンのハンデ戦でした。スピード馬というよりスタミナ系だったようですね。
1年置いた2007年生まれのマローン・マシーン Maroon Machine (栗毛 牡 父ムタシール Muhtathir)が、メディーヴァルの最後に報告されている産駒。通算では7ハロンから11ハロンまでに20戦し3勝、勝鞍は7ハロンから8ハロンで、障害戦にも一度出走しているようです。この馬も年齢からして現役でしょうか。

ということで目立った馬も無いまま3代母に移ります。曾祖母は、15戦1勝の競走成績を持つドミノ・クィーン Domino Queen 。勝鞍の1勝は、サンダウン競馬場の5ハロン戦で挙げたものでした。
彼女の産駒にも目立った活躍馬はほとんど無く、敢えて挙げれば次の2頭か。1頭はアメリカのGⅡ戦で2着1回、3着1回という入着記録のあるヴァンセラ Vencera (1997年 鹿毛 牝 父グリーン・チューン Green Tune)。
そしてもう1頭が、より活躍したドビー・ロード Dobby Road (1999年 鹿毛 牡 父グレープ・トゥリー・ロード Grape Tree Road)でしよう。この馬は2歳時にダレンベルク賞(GⅢ、1000メートル)に勝ち、グラン・クリテリウム(GⅠ、1400メートル)で3着。更に1000メートルのグロ・シェーヌ賞(GⅡ)でも3着したスプリンターです。

更に4代母ザ・クィーン・オブ・ソウル The Queen of Soul (1986年 鹿毛 父チーフ・シンガー Chief Singer、競走成績は見つからず、恐らく未出走)、5代母キャットリオナ Catriona (1967年 鹿毛 父シング・シング Sing Sing)と遡っても特筆すべき活躍馬は登場してきません。
漸くGⅠクラスの馬が出てくるのは、8代母エレアノール・クロス Eleanor Cross に遡ってからで、此処からはヨークシャー・オークスのレディー・クロス Lady Cross 、チーヴリー・パーク・ステークスのクリミア Cremea と愛チャンピオン・ステークスのインカーマン Inkerman 、モルニー賞のデアリング・ディスプレイ Daring Display などが見出されます。

以上、直近からは久し振りのクラシック馬を産んだ牝系ですが、源流にまで遡れば三冠の名牝プリティー・ポリー Pretty Polly を祖とする14-c ファミリー。
プリティー・ポリーからは4頭の娘が枝葉を伸ばし、その1頭モーリー・デスモンド Molly Desmond からも4つの流れが今日に至ります。スタイル・ヴァンドームが所属する一派の代表は、何と言ってもブリガディア・ジェラード Brigadier Gerard でしょう。

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