ケンタッキー・ダービーはアメリカン・フェイロー

昨日のアメリカ競馬、もちろん世界の注目が集まるのがケンタッキー・ダービーですが、他にチャーチル・ダウンズ競馬場ではG戦が6鞍、ニューヨークのベルモント競馬場とカリフォルニアのサンタ・アニタ競馬場でもG戦が行われており、とても一つの記事に纏めるわけにも行きません。
そこで先ずはダービーを単独で紹介し、残るケンタッキーの6鞍を一纏め、そして他の競馬場の結果を報告という三部構成にすることにしました。

ということで終わったばかりのケンタッキー・ダービー Kentucky Derby (GⅠ、3歳、10ハロン)から。20頭の出走枠を2頭超える22頭が最終登録を済ませましたが、有力馬と見な避けていたエル・カビア El Kabeir 、インターナショナル・スター International Star が前日までに回避し、他に2頭が取り消し、補欠からは1頭が参戦して最終的には18頭がゲートインしました。馬場は fast 。
今年の1番人気は、アーカンソー・ダービーを8馬身で圧勝したアメリカン・フェイロー American Pharoah で、大外に近い18番枠スタートにも拘わらずやや固い本命と目されていました。次いでは8番枠のドルトムント Dortmund の4対1、2番枠のカーペ・ディエム Carpe Diem の7対1で、日本流にいう単勝10倍を切るのはこの3頭だけという固目のダービーという前評判でした。

実際にレース内容も極めてシンプルなもの。一斉のスタートから先手を奪ったのは2番人気のドルトムントで、アメリカン・フェイローは早目3番手で抜け出すタイミングを計る展開。4番人気(9対1、単勝10倍)のファイアリング・ライン Firing Line が2番手に付け、第4コーナーに差し掛かる地点では早くも前3頭の競馬に。直線、最内を衝いたドルトムントが逃げ切りを図りましたが、外からファイアリング・ライン、更に外からアメリカン・フェイローが襲い掛かり、結局本命馬がファイアリング・ラインに1馬身差を付けて見事人気に応えました。2馬身差でドルトムントが3着に粘り、その後は5番人気(10対1)のフロステッド Frosted が4着、5着にダンジグ・ムーン Danzig Moon の順。人気所では4番手を進んだカーペ・ディエムが10着に敗れた位で、極めて順当に収まったケンタッキー・ダービーと評して良いでしょう。
勝馬は既に何度も紹介しているように、ボブ・バファート師の管理馬で、師は今年のダービー1・3着。ダービー制覇は1997年のシルヴァー・チャーム Silver Charm 、1998年のリアル・クワイエット Real Quiet 、2002年のウォー・エンブレム War Emblem に続いて4勝目となります。またオーナーは2009年、2011年、2012年と3度2着に入っており、漸く念願のダービー馬のオーナーに。更に記録を続ければ、騎乗したヴィクター・エスピノザは2002年のウォー・エンブレム、去年のカリフォルニア・クローム California Chrome に次いで3勝目。2年連続ダービー・ジョッキーという記録は過去に6人が達成しており、アイザック・マーフィー、ジミー・ウインクフィールド、エディー・デラフッセイ、ロン・ターコット、カルヴィン・ボレルに続く7人目とのこと。また生産者のブレトン・ジョーンズ氏は前日のケンタッキー・オークス馬ラヴリー・マリア Lovely Maria のオーナーでもあります。

アメリカン・フェイローは2歳時にデル・マー・フューチュリティーとフロントランナー・ステークスでGⅠ2勝、BCは脚部不安のため欠場しましたが、2歳の年度チャンピオンに選出されています。2歳チャンピオンが翌年もケンタッキー・ダービーに勝ったのは2007年のストリート・センス Street Sense 以来のこと。今年はレベル・ステークス(GⅡ)からアーカンソー・ダービー(GⅠ)と連勝し、通算では6戦5勝。4つ目のGⅠタイトルということになります。
以上でダービー・レポートを終え、続きは記事を改めることにしましょう。

 

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