第3の新設GⅢ

当競馬日記の4月30日号で紹介したように、今年のヨーロッパ競馬界の話題の一つに短距離路線の見直しがあります。
4月29日にアスコット競馬場で行われたパヴィリオン・ステークス(GⅢ)がその一つですが、フランスで4月15日に行われたシジー賞もその流れに沿った新設(リステッド戦からの格上げ)でした。

そして昨日、メゾン=ラフィット競馬場で行われたテキサニータ賞 Prix Texanita (GⅢ、3歳、1100メートル)も今年から新たに加わったG戦です。この3歳馬限定のG戦は、来月ロイヤル・アスコットに新設されるGⅠのコモンウェルス・ステークスに繋がるトライアルになるのでしょう。
昨日のレースがリステッド戦から昇格したものか、全くの新設かは調べが付いていませんが、来年のこのレースまでには歴史などが判明するものと思います。レース名のテキサニータは、チョッと古い競馬ファンには懐かしい名前。秋の凱旋門賞開催で行われる短距離GⅠのアベイ・ド・ロンシャン賞を初めて2連覇(1963・64)した名牝ですね。アベイの第1回(1957)を制したテクサーナとは全姉妹に当たる快速馬たちでした。

さて昨日のレースは good の馬場に13頭立て。上記シジー賞の勝馬エル・ヴァール El Valle は出走せず、G戦初挑戦ながらメゾン=ラフィットで3戦2勝のサラール Sallal が23対10の1番人気に支持されていました。
レースは2番人気(56対10)でシジー賞3着のゴーケン Goken が逃げ、これを直後で追走した3番人気(57対10)ヴォラタイル Volatile と4番人気(6対1)フィンスバリー・スクエア Finsbury Square の三つ巴。3頭が横一線でゴール板を通過し、写真判定の結果ゴーケンの逃げ切り勝ちで決着。頭差でフィンスバリー・スクエア、同じく頭差でヴォラタイルが3着でした。サラールは初のトップクラス相手は荷が重かったか、8着敗退に終わりました。

アンリ=アレックス・パンタル厩舎、オリヴィエ・ペリエ騎乗のゴーケンは、前走シジー賞で1番人気になりながら逃げて捕まり3着だった馬。2着のフィンスバリー・スクエアもシジー賞の2着馬で、今年のフランス3歳短距離界は勢力が安定しているようにも思えます。
ゴーケンは2歳時にボア賞(GⅢ)など3連勝し、そのあとはロベール・パパン4着、モルニー4着、アベイ11着、クリテリウム・ド・メゾン=ラフィット3着と勝星には恵まれませんでした。これがボア賞以来の勝利でG戦も二つ目、当然ながらロイヤル・アスコットに遠征することになるでしょう。

 

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