シーズン末のレゼルヴォアール賞
１０月も残り少なくなってきましたが、昨日はドーヴィル競馬場でレゼルヴォアール賞 Prix des Reservoirs (ＧⅢ、２歳牝、１６００メートル)が行われました。
ドーヴィルと言えばフランスの避暑地、夏競馬の舞台ですが、秋にもＧ戦が一鞍だけ組まれています。それが、これ。尤もこのレースはシャンティで創設された一戦で、１９９６年以降ドーヴィルに移行されたもの。
今年は very soft と極めて重い馬場、９頭が出走してきました。１７対１０の１番人気に支持されたバルチック・コンテッス Baltic Comtesse はアンドレ・ファーブル厩舎で、２戦目の前走メゾン＝ラフィットで後方一気の追い込みを決めて初勝利を挙げた馬。父は先週のニューマーケットでも産駒が活躍したロぺ・デ・ヴェーガ Lope de Vega 、母はヴェルメイユ賞を制したバルチック・バロネス Baltic Baroness という血統的背景も人気の要因でしょう。
３番人気(５７対１０)のティグリラ Tigrilla が逃げ、バルチック・コンテッスは前走より早目に抜け出す作戦。ジリジリと脚を伸ばしましたが、今回は最後方に待機した７番人気(１６８対１０)の伏兵ムーニー・ヴァレー Moonee Valley の末脚が勝り、本命馬に半馬身差での逆転勝ち。逃げたティグリラが更に半馬身差で３着に粘りました。
勝ったムーニー・ヴァレーは、ドイツのマリオ・ホーファー厩舎でイオリッツ・メンディザバルの騎乗。ドイツ馬ながらホーファー師は世界中を駆け回る調教師で、フランス産のムーニー・ヴァレーもここドーヴィルの不良馬場で新馬勝ちした馬。２戦目の前走はシャンティーのオマール賞(ＧⅢ)でシャーハー Shahah の４着。この時はスタートで出遅れ、勝馬とは３馬身差でした。
因みにシャーハーはアンドレ・ファーブル師がペースメーカーとして出走させた馬で、今週から日本で騎乗するピエール＝シャルル・ブードーが騎乗していたという因縁もあります。若きブードーにとって勲章の一つでもありましょう、乞うご期待。
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