古馬マイラー、シーズン最初のGⅠ

昨日の土曜日、英国ニューバリー競馬場でロッキンジ・ステークス Lockinge S (GⅠ、4歳上、1マイル)が行われました。今や世界の競馬界で最も人気が高いマイル路線ですが、シーズンを通して鏤められている各国GⅠレースの中で先頭を切って行われるのがロッキンジです。
馬場は good 、2頭が取り消しましたが、それでも16頭が揃い、古馬のマイル戦としては珍しい程の多頭数になりました。そういう視点でデータを見たことはありませんが、レース史上最多の出走頭数じゃないでしょうか。

1番人気は11対4で2頭が並ぶ混戦。1頭は去年の2000ギニー馬で、これが今期初戦のナイト・オブ・サンダー Night Of Thunder 。もう1頭も今期初戦で、去年フォルマス・ステークスとサン・チャリオット・ステークスとGⅠに2勝した5歳牝馬のインテグラル Integral 。特にインテグラルに騎乗するライアン・ムーアはこの日第1レースから勝ち続け、第4レースまで全勝。自身初となる1日5勝の快挙が目前に迫っていました。

10番人気(25対1)のヤフテン Yuften が逃げ、インテグラルは2番手追走。この直後に付けた4番人気のトールモア Toormore が抜けましたが、中団で待機していたナイト・オブ・サンダーが徐々にスタンドから遠い側のラチ沿いに進路を変えて抜け出し、2頭の叩き合い。先にリードを奪ったナイト・オブ・サンダーが一杯になるところにトールモアが再び差を詰めましたが、ゴール板ではナイト・オブ・サンダーが首差抑えて人気に応えました。
4分の3馬身差でこれも先行していた7番人気(16対1)のアロッド Arod が3着に入り、インテグラルは首差で4着。更に半馬身差で5着はケーブル・ベイ Cable Bay 。ムーア騎手は4着に終わりましたが、直後の第6レースにも勝って遂に1日5勝を成し遂げています。勝馬と2着馬は、オーナーは違えど何れもリチャード・ハノン師の管理馬で、師のワン・ツー・フィニッシュ。マイルのハノンという新しいキャッチフレーズが生まれそうな勢いです。勝馬にはジェームス・ドイル、2着にはリチャード・ヒューズが騎乗していました。

ナイト・オブ・サンダーは上記の様に去年の2000ギニーでキングマン Kingman を破って優勝。キングマンに土を付けた唯一の馬となりましたが、ギニーの後は善戦すれど勝星には恵まれませんでした。昨シーズン終了後にゴドルフィンの所有に替り、ほぼ同時にゴドルフィンの主戦騎手となったドイル騎手とのコンビでは最初の勝馬でもあります。
3歳時には2000ギニー、古馬としてもGⅠ第一戦を勝ち取って種牡馬としての価値も大いに高めたナイト・オブ・サンダー、将来は2000メートルも使いたいハノン師ですが、先ずはロイヤル・アスコットのクィーン・アン・ステークスでトールモアと再対決することになるでしょう。師としては2頭を同じ舞台で戦わせたくはないようですが、全てはオーナーが決めること。クィーン・アンのオッズはナイト・オブ・サンダーが6対1から7対1、トールモアには10対1が出されました。

 

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