2015年クレイヴァン開催2日目

今日はニューマーケット競馬所のクレイヴァン・ミーティング2日目のレポートです。この日はG戦3鞍、good to firm 、所により good の馬場で行われました。

最初は短距離のアバーナント・ステークス Abernant S (GⅢ、3歳上、6ハロン)。ヨーロッパではスプリントが独立したジャンルということもあり、シーズン初めから3歳上の条件です。1頭が取り消して11頭立て、3歳は1頭が参戦。
去年ニューバリーでハックウッド・ステークス(GⅢ)に勝ち、ヘイドックのスプリント・カップ(GⅠ)でも3着しているミュージック・マスター Music Master が7対4の1番人気。

2番人気(9対2)のアステア Astaire が逃げ、3番人気(8対1)のウォッチャブル Watchable が2番手追走。ミュージック・マスターは3番手に付けましたが、結局前との差は詰まらず、アステアがウォッチャブルに半馬身差を付けての逃げ切り勝ち。ウォッチャブルは一時首差にまで詰めましたが、アステアが二の足を使って突き放しました。更に1馬身4分の1差でミュージック・マスターが3着に入り、前に行った人気の3頭での決着。
アステアは、去年のハムザ Hamza に続きケヴィン・ライアン厩舎、ジェイミー・スペンサー騎乗のコンビによる連覇。2歳時にはミドル・パーク・ステークス(GⅠ)とジムクラック・ステークス(GⅡ)を制した快速馬ですが、去年は勝鞍に恵まれませんでした。今期は平場初日のドンカスター競馬場の重馬場でカミッジ・トロフィー(リステッド戦、6ハロン)2着、馬場が乾いたこのコースで久し振りにスピードを発揮。次走は去年3歳で2着したデューク・オブ・ヨーク・ステークスを使い、アスコットのGⅠを狙うことになるでしょう。

続いては開催のメイン、2000ギニーと同じ距離で行われる重要なトライアルのクレイヴァン・ステークス Craven S (GⅢ、3歳、1マイル)。7頭が出走してきましたが、2対1の1番人気に支持されたのは、2歳時にソールズベリーの新馬戦を7馬身差で圧勝しただけの1戦1勝馬モヒート Moheet 。人気になったのは新馬勝ちの内容が良かったのはもちろんですが、このレースを3連覇しているリチャード・ハノン厩舎であることに加え、近年素質馬をズラリと揃えて急速に勢力を拡大しているアル・シャハブ・レーシングの持ち馬で、英国での主戦フランキー・デットーリが騎乗していることもあるでしょう。この日アル・シャハブはフランスでの主戦騎手をグレゴリー・ブノアにすると発表しましたが、馬数が多くなったのが原因で、デットーリを信頼しないということではありません。
実績がありながらブービー人気(14対1)にまで落ちたクール・カンパニー Kool Kompany が逃げ、モヒートは最後方で待機。坂を上がってもクール・カンパニーの逃げは衰えず、これも2番手で先行した2番人気(11対4)のナファーカ Nafaqa に1馬身4分の1差を付けて又しても逃げ切り勝ち。モヒートも後半良く追い上げましたが、2馬身及ばず3着に終わりました。
勝ったクール・カンパニーは本命馬と同じリチャード・ハノン厩舎で、リチャード・ヒューズ騎乗。去年はレイルウェイ・ステークスとロベール・パパン賞とGⅡ戦に2勝していましたが、2歳終戦のミドル・パーク・ステークスでは6頭立ての5着に終わっていました。ハノン厩舎は2012年のトランペット・メジャー Trumpet Major 、2013年のトルネード Toronado を父リチャードで、去年は息子の代に替ってトールモア Toormore で制しており、クレイヴァンは4連覇となります。

陣営では1マイルの距離に不安があったようですが、自身のペースでの逃げ切り勝ちで距離不安を払拭しています。2000ギニーのオッズは16対1に上がりましたが、33対1に留めているブックメーカーもあり、評価は区々です。騎乗したヒューズ騎手はニューマーケットより仏2000ギニー向きと進言しているようですが、ハノン師は英2000ギニーの方に期待を掛けているようです。
なおクレイヴァンに勝って本番も勝った馬は、2004年のハーフド Haafhd 以来10年間出ていないのが気になるところ。クール・カンパニーの去就は如何に・・・。

クレイヴァン開催の最後はアール・オブ・セフトン・ステークス Earl of Sefton S (GⅢ、4歳上、1マイル1ハロン)。8頭が出走し、7歳馬ながら去年はダイオメド・ステークス(GⅢ)を含めて3連勝でシーズンを終えた若々しいフレンチ・ネイヴィー French Navy が3対1の1番人気。
2番人気(10対3)のモンダイアリスト Mondialiste が逃げ、3番人気(同じく10対3)のアロッド Arod が2番手を進み、又しても前残りの競馬に終わるかに見えましたが、前半最後方に付けていたフレンチ・ネイヴィーが外(スタンド側)から一気に伸び、先行2頭を纏めて交わすと、速目先頭のアロッドに4分の3馬身差で優勝。やはり4分の3馬身差で逃げたモンダイアリストが3着。

これで去年から4連勝となったフレンチ・ネイヴィーは、ゴドルフィン所有馬でチャールズ・アップルビー厩舎、ウイリアム・ビュイック騎乗。去年のこのレースは1馬身差の2着でした。7歳とは言え未だ未だ調教でも気力充分だそうで、今シーズンも1マイルを少し伸びた距離での活躍が期待できそうです。

 

Pocket
LINEで送る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください