2015サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン フィナーレ

昨日の日曜日、サントリーホールのチェンバーミュージック・ガーデンは無事にフィナーレを迎えました。毎年最終日のチケットは争奪戦になるそうで、私は何とか発売日に一番後ろの席をゲットできましたが、即完売だったそうです。曲がどう、演奏家は誰、などと吟味している余裕はありません。
ま、お祭りのフィナーレですから、参加できればそれに越したことはない、というスタンスでしたけど・・・。プログラムはフェストを彩った演奏家諸氏が勢ぞろいして盛りだくさん。もちろん室内楽アカデミーとオペラ・アカデミーの選抜メンバーも登場します。

メンデルスゾーン/弦楽四重奏曲第2番
カルテット・アルパ

シュルホフ/フルート、ヴィオラとコントラバスのための小協奏曲
高木綾子(フルート)、池田菊衛(ヴィオラ)、吉田秀(コントラバス)

~休憩~

ヴェルディ/ストルネッロ
プッチーニ/死とは?
迫田美帆(ソプラノ)、古藤田みゆき(ピアノ)

トスティ/もう君を愛していない
マスカーニ/セレナータ
新造太郎(バリトン)、古藤田みゆき(ピアノ)

サン=サーンス/七重奏曲
高橋敦(トランペット)、クァルテット・エクセルシオ(第1ヴァイオリンは花田和加子が代演)、吉田秀(コントラバス)、若林顕(ピアノ)

シェーンベルク/浄められた夜
ミロ・クァルテット、磯村和英(ヴィオラ)、堤剛(チェロ)

特に感想を書くことも無いでしょう。最初は室内楽アカデミーのメンバー、カルテット・アルパによる若々しいメンデルスゾーン、メンバーはファーストが小川響子(おがわ・きょうこ)、セカンドは戸原直(とはら・なお)、ヴィオラを古賀郁音(こが・あやね)、チェロは伊東裕(いとう・ゆう)という面々。
メンデルスゾーンの軽やかさより、パッションを表に出した演奏。これからもクァルテットが続けられる環境を作ることが、日本楽壇に背負わされている課題でしょう。

次は最近ルネサンスを迎えているシュルホフの珍しい編成によるトリオ。フルートはピッコロも持ち替え、第2楽章と第4楽章はピッコロがメイン。第4楽章でフルートに替える部分がありますが、ここがプラハの街頭でモラヴィア人の物売りが吹くメロディー。
以前は楽譜の入手に苦労するような作品でしたが、今はペトルッチの無料楽譜サイトから簡単にダウンロードできます。私も事前にザッと目を通し、前半3つの楽章が変拍子で書かれていることを確認。初めて聴いたような感じがしませんでしたね。面白い作品ですから一聴、いや一見しておいて下さい。

ここで休憩となり、後半はオペラ・アカデミー選抜メンバーの二人によるイタリア歌曲。既に実際の舞台に立って歌劇に出演している二人ですから、美しい歌唱を聴かせてくれました。これからもオペラで遭遇する機会が増えそうな歌手たち。

サン=サーンスは真に堂々とし、煌びやかな室内楽。時々はフランスのチェンバーミュージックを味わいたいものです。全体は寧ろ短過ぎる位のもので、第4楽章がガヴォットで書かれているためか、組曲的な性格。フランス室内楽伝統の手法でしょう。

最後は豪華メンバーによるシェーンベルクのオリジナル版。演奏している顔ぶれを見ているだけでも楽しめるグランド・フィナーレ。

来年のチェンバーミュージック・ガーデンは、サントリーホール開館30周年ということもあって、6月4日(土)から26日(日)までの23日間。例年より1週間長い開催になるそうです。
予定されている出演者も発表されていますが、6回目のベートーヴェン全曲はどうなるのでしょうか? チケットが取り難いのが玉に疵ですが、6月は、室内楽だ。というキャッチフレーズに相応しいプログラムであって欲しいものです。

 

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