フランスも2歳G戦がスタート
6月29日の月曜日もフランスではG戦が行われました。ダービー・オークスの舞台でもあるシャンティー競馬場、good の馬場に3鞍のGⅢ戦です。
レース順に取り上げるとして、最初はボア賞 Prix du Bois (GⅢ、2歳、1000メートル)。シーズン前半の締め括りでもあり、フランスでは最初の2歳G戦。日本では2歳戦そのものがダービー終了後に開始されますが、ヨーロッパでは3月のシーズン当初から始まっており、ここに出走してきた8頭でも最も経験を積んだ馬では既に5戦を消化しています。
メンバーは牡馬4頭、牝馬4頭の構成で、8対5の1番人気に支持されたのは牝馬のグーナ・チョープ Goona Chope 。ルジェ厩舎、2戦2勝の無敗馬。
レースは4番人気(58対10)のフライ・オン・ザ・ナイト Fly On The Night が逃げ、グーナ・チョープは2番手から何時でも前を捉える構え。しかし逃げ馬の脚色は衰えず、そのまま逃げ切り勝ち。本命馬は伸びず、3番手を追走していた3番人気(51対10)のトゥーニー Tourny が2番手に上がりましたが、勝馬とは1馬身4分の1差。更に半馬身差で2番人気(17対5)のデュ・パイラ Du Pyla が後方から3着に追い込み、グーナ・チョープは4着敗退。
勝ったフライ・オン・ザ・ナイトは、イタリアからアッティリオ・ジョルジ調教師が送り込んできた牝馬で、ウンベルト・リスポリが騎乗していました。ローマのカパネル競馬場で新馬戦とリステッド戦に2連勝、これで無傷の3連勝となります。フランスに遠征した来たのは、悲しいかなイタリアはストライキのため競馬が出来ず、止む無く出走できるレースを探してのこと。ヨーロッパではギリシャだけでなく、イタリアも危機的状況なのですね。
いくらか涼しい本国に戻るか、このままフランスに本拠地を移すのかは悩ましい所だそうですが、取り敢えずは3週間後のロベール・パパン賞(GⅡ)を目指すということでした。
続いてはクラシック世代の9ハロン戦で、ペアとも言える二つのGⅢ戦。先に行われたのが牡馬とせん馬に出走権があるダフニス賞 Prix Daphnis (GⅢ、3歳牡せん、1800メートル)。僅か5頭立てで、仏ダービーに挑戦して6着だったモスタニアー Mostaneer が21対10の1番人気。
しかし、結果はこのレースも逃げ切り勝ち。先手を取った3番人気(12対5)のアルマナール Almanaar が、3番手から残り1ハロンで2番手まで押し上げた本命馬を4分の3馬身抑えての優勝です。2番手を追走していた4番人気(48対10)のインオーディネイト Inordinate が2馬身半差で3着。
フレディー・ヘッド厩舎、ティエリー・ジャルネ騎乗のアルマナールは、前走ポール・ド・ムーサック賞(GⅢ)に勝っていたため3ポンドのペナルティーを背負っての勝利。比較的人気が無かったのは負担重量の所為ですが、これでサン=クルーのリステッド戦から数えて3連勝となります。
最後は3歳牝馬のクロエ賞 Prix Chloe (GⅢ、3歳牝、1800メートル)。こちらには7頭が出走し、クラシックには参戦しなかったものの前走サン=タラリ賞(GⅠ)で2着したウィキーラ Wekeela が11対10の1番人気。
最低人気(269対10)で2番人気(42対10)パーリー・ステフ Pearly Steph のペースメーカーを務めるヴィア・ピサ Via Pisa が逃げましたが、2番手を進んだ4番人気(51対10)のマイマーラ Maimara がこれを捉えて先頭。この攻防を後ろで見ていた本命ウィキーラがスパートすると、得意の末脚を爆発させ、粘るマイマーラを2馬身半差し切って見事に人気に応えました。4分の3馬身差で後方からブービー人気(126対10)のプリンセス・チャーム Princess Charm が追い込んで3着。
勝ったウィキーラはジャン=クロード・ルジェ厩舎、ジャン=ベルナール・アイケム騎乗で、今期初戦のボルドーで2勝目を挙げた馬。そのあとシャンティーの条件戦で2着し、前走サン=タラリの快走に繋げています。末脚を武器にするタイプで、ボルドーでもそうでしたが、今回も壺に嵌れば鬼脚を発揮。このあとドーヴィルで一戦し、秋はオペラ賞でGⅠ制覇を目指します。
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