2015ジュライ・ミーティング3日目

昨日で3日間に亘って行われたニューマーケット競馬場のジュライ・ミーティングが終了しました。最終日の昨日も散水して good to firm 、3日間を通じて同じ高速馬場が続きます。
千穐楽もG戦は2鞍、メインでもあるジュライ・カップで締め括られますが、その前に、

サパラティヴ・ステークス Superlative S (GⅡ、2歳、7ハロン)は1頭が取り消して8頭立て。エイダン・オブライエン厩舎が送り込んだエア・ヴァイス・マーシャル Air Vice Marshal が11対4の1番人気に支持されていましたが、前走ゴウランで初勝利を挙げたばかりの馬。
実は、目下のところリーディングを走るライアン・ムーアが開催初日の最終レースで馬がゲート内で暴れ(結局は出走取り消し)たために首を負傷するというアクシデントがありました。病院で検査中ですが未だ痛みが残っているということで、1ヶ月ほど休まざるを得ないとの発表があったばかり。人気馬には急遽ジョセフ・オブライエンが騎乗することになりました。

さてレース、6番人気(8対1)のゼイ・シーク・ヒム・ヒア They Seek Him Here が逃げましたが、3番手を追走していた5番人気(7対1)のバーチウッド Birchwood が早くも残り2ハロンで先頭に立ち、最後は左に寄れながらも2着馬に1馬身差を付けて優勝。その2着には先行から勝馬を追った人気のエア・ヴァイス・マーシャルが入りました。首差で最低人気(12対1)のトニー・カーチス Tony Curtis が3着。
リチャード・ファヘイ厩舎、ジェームス・ドイル騎乗のバーチウッドは、ゴドルフィンの所有馬。ドンカスターでデビュー勝ちし、続くニューバリーでも連勝、前走はアイルランドに遠征してナースのリステッド戦で3着(と言っても4頭立てでしたが)していました。今回は馬場が速いこともあって2歳馬のコース・レコードになりましたが、ヨーロッパでは勝時計そのものは余り重要じゃありません。本質的にタイム・レースにはならないのが英国競馬でもあります。

そして愈々短距離決戦のジュライ・カップ July Cup (GⅠ、3歳上、6ハロン)。15頭と頭数も揃い、やはりロイヤル・アスコットで好走した馬たちが人気を集めました。2対1の1番人気には2頭が並び、一方は豪州から遠征してダイアモンド・ジュビリー(GⅠ)ではいくつかの不利を克服して2着惜敗のブレーズン・ボー Brazen Beau 。マトモなら楽勝していただろうという評価です。もう1頭は3歳馬のムハーラー Muhaarar 、ご存知新設のコモンウェルス・カップ(GⅠ)を快勝した3歳の短距離チャンピオンです。
ジョイント8番人気(25対1)で去年のジュライ・カップで2着したトロピックス Tropics が逃げ、去年の雪辱目前まで粘りましたが、先行グループを形成していた人気のムハーラーが抜け出し、最後の一歩で逃げ馬をハナ差捉えての優勝。1馬身半差の3着争いも熾烈で、2番手を追走していた12番人気(50対1)の伏兵イースタン・インパクト Eastern Impact が首・首の接戦に競り勝ちました。馬場が速い分、先に行った馬が結果を残したようです。4着は5番人気(16対1)のソール・パワー Sole Power 、5着がジョイント4番人気(12対1)のダンゼーノ Danzeno で、ブレーズン・ボーは先行するも7着敗退。やはり3歳馬の壁は厚かった! ということか。

チャールズ・ヒルズ厩舎、ポール・ハナガン騎乗のムハーラーは、これで短距離GⅠに2連勝。3歳馬のジュライ・カップ制覇は決して珍しいことではありませんが、2011年のドリーム・アヘッド Dream Ahead 以来の快挙となります。陣営では7ハロンも問題ないとしていますが、いずれにしてもGⅠ路線を突っ走るしかないでしょう。フランスのモーリス・ド・ギースト賞、フォレ賞も良し。地元のヘイドック・スプリント・カップ、あるいはBC遠征があるかも知れません。

そして昨日はアスコット競馬場でもG戦が一鞍、サマー・マイル・ステークス Summer Mile S (GⅡ、4歳上、1マイル)が行われています。よりロンドンに近いここも馬場は散水して good to firm 、今年の夏は天候には恵まれているようですね。
馬場が固いということもあってか3頭が取り消して6頭立て。去年のダービー4着馬ながら、今期はマイル路線に転じ、前走同じエプサムでもダイオメド・ステークス(GⅢ)に勝ったアロッド Arod が6対4の安定した1番人気。

そのアロッド、迷わずスタートから先手を取ると、貫録の逃げ切り勝ちです。1馬身半差の2着には2番人気(10対3)のライトニング・スピアー Lightning Spear が後方から追い込み、3馬身4分の3差3着も2番手を追走した3番人気(5対1)のケーブル・ベイ Cable Bay と全く人気通り。アロッドとライトニング・スピアーは同じカタール・レーシングの勝負服で、厩舎は異なれどオーナーのワン・ツー・フィニッシュとなりました。
アロッドはピーター・チャップル=ハイアム厩舎、アンドレア・アトゼニ騎乗で、去年は10ハロンで2勝したほどの中長距離馬でしたが、今年はアール・オブ・セフトン(GⅢ)で2着、ロッキンジ・ステークス(GⅠ)でも3着とスピードのあるところを証明し、前走に続いてG戦2連勝。この後はマイルの頂点たるサセックス・ステークスに挑むしかないでしょう。この路線は古馬にソロウ Solow 、3歳にグレンイーグルス Gleneagles ありと最も注目されるジャンルですが、アロッド登場は更に興味を搔き立ててくれるに違いありません。陣営では更に豪州遠征(コックス・プレート)も視野に入れている様子。

 

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