2015ジュライ・ミーティング2日目

今日もニューマーケット競馬場、早速ジュライ・ミーティング2日目のレポートを始めましょう。この日のG戦は第2レースと第3レースの2鞍、馬場は初日と同じく散水した結果が good to firm でした。

最初はダッチェス・オブ・ケンブリッジ・ステークス Duchess of Cambridge S (GⅡ、2歳牝、6ハロン)。9頭が出走してきましたが、ロイヤル・アスコットのG戦2鞍で好走した牝馬の対決となり、アルバニー・ステークス(GⅢ)を1番人気で制したイリュミネート Illuminate と、クィーン・メアリー・ステークス(GⅡ)2着のイーストン・エンジェル Easton Angel が7対4で並ぶジョイント1番人気。
クィーン・メアリー・ステークスで逃げたラー・ラー Rah Rah がここでも逃げましたが、3番人気(7対1)でクィーン・メアリー3着馬のべシャーラー Besharah が残り1ハロンで先頭に立った所に、3番手辺りを進んでいた本命の一角イリュミネートが鋭く伸び、べシャーラーをハナ差捉えて優勝。後方から追い込んだ6番人気(20対1)のブルー・ベイユー Blue Bayou が短頭差で3着に食い込み、逃げたラー・ラーが4番手で入線しました。
もう1頭の人気馬イーストン・エンジェルも中団から追い上げましたが、ラー・ラーが右に寄れて進路が塞がれたこともあって5番手でゴール。このアクシデントが審議の対象となり、2頭の順位は入れ替わってイーストン・エンジェルが4着、ラー・ラー5着が公式の結果となります。

これでデビューから無傷の3連勝となったイリュミネートは、リチャード・ハノン厩舎、リチャード・ヒューズ騎乗。この後はドーヴィルのモルニー賞、そして目標であるチーヴリー・パーク・ステークスでGⅠ制覇を目指します。来年の1000ギニーのオッズは14対1が提示されました。
ハノン師は2010年にメモリー Memory でこのレースに勝ちましたが、メモリーもロイヤル・アスコットでアルバニーを制した馬。5年の間隔、同じローテーションで連勝馬を手掛けたことになります。

続いては今開催最初のGⅠ戦となるフォルマス・ステークス Falmouth S (GⅠ、3歳上牝、1マイル)。当初は9頭の登録がありましたが、去年の勝馬インテグラル Integral を含む2頭が取り消して7頭立て。フランスから3頭、アイルランドからも1頭が参加する国際的なメンバーの対決となりました。2対1の1番人気にはアイルランドから挑戦する1000ギニー2着で高レヴェル3歳馬のルシーダ Lucida が選ばれ、去年の仏2冠馬アヴニール・セルタン Avenir Certain は7対2の2番人気。
レースはもう1頭の3歳馬で6番人気(9対1)のアラビアン・クィーン Arabian Queen が逃げ、ルシーダも先行策。しかし本命馬は前が詰まる不利があり、右に出して抜け出しを図りましたが僅差の6着まで。替って2番手を追走していた最低人気(11対1)のユーロ・シャーリン Euro Charline が主導権を奪いましたが、後方を進んだ5番人気(17対2)のアメージング・マリア Amazing Maria が外から一気に追い込み、ユーロ・シャーリンに1馬身差を付けてGⅠ初制覇を飾りました。2着争いは大激戦で、同じく最後方から伸びたアヴニール・セルタンが頭差で3着。以下4着バウィーナ Bawina 、5着フィントリー Fintry 、そして6着ルシーダまではハナ、短頭、頭差の写真判定でした。最下位のアラビアン・クイーンも5頭の2着争いから2馬身半差。

勝ったアメージング・マリアは、ロイヤル・アスコットのデューク・オブ・ケンブリッジ・ステークス(GⅡ)を25対1で勝って観衆を驚かせた4歳馬。一部にはフロック勝ちという見方もありましたが、G戦連勝でその実力を証明した形です。そのデューク・オブ・ケンブリッジ・ステークスではゲートインを嫌って発走除外となったユーロ・シャーリンが今回は2着、改めてこのGⅡ戦を評価し直す必要がありそうです。
実はアメージング・マリア、2歳時にはエド・ダンロップ厩舎に所属してG戦勝ちの実績がありましたが、3歳時は期待を裏切るレースが続き、現在はデヴィッド・オメーラ師の管理下に移籍。転厩に当たってはダンロップ師から“GⅠを獲れる馬だよ”とオメーラ師に電話があったそうな。鞍上はジェームス・ドイル。このあとはドーヴィルのロッシルド賞でGⅠ2連勝を目指します。

以上がジュライ・ミーティング2日目の結果ですが、昨日はヨーク競馬場でもサマー・ステークス Summer S (GⅢ、3歳上牝、6ハロン)が行われています。こちらは good 、所により good to soft の馬場。14頭が出走し、前走ロイヤル・アスコットのハンデ戦(ワーキンガム・ステークス)に勝った5歳馬のインターセプション Interception が2対1の1番人気。
6番人気(11対1)のディヴァイン Divine が逃げましたが、3番手を進んだ2番人気(5対1)のニュー・プロヴィデンス New Providence が抜け、後方から追い込む4番人気(7対1)のラッキー・クリステール Lucky Kristale を頭差抑えて優勝。4分の3馬身差で3番人気(11対2)のキヨシ Kiyoshi が中団から追い込んで3着に入り、人気のインターセプションは後方から伸びるも7着まで。

ヒューゴー・パーマー厩舎、ハリー・ベントリー騎乗のニュー・プロヴィデンスは、去年新たにGⅢに格上げされたディック・プール・フィリーズ・ステークスに続くG戦2勝目で、前走ロイヤル・アスコットでは新設のコモンウェルス・カップ(GⅠ)で18頭立て13着に凡走していた3歳馬。しかし4着以下に落ちたのは前走が初めてで、今期初戦のネル・グィン・ステークス(GⅢ)でも2着しており、クラシックは避けて短距離戦に絞ってきました。ここでも3歳馬優位を証明した形です。

 

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