8月15日のニューバリー競馬場

昨日はイギリスとフランスで複数のG戦が行われましたが、先ず英国から。

第2次世界大戦中は軍の施設として接収されていたニューバリー競馬場、当時はコースもコンクリートで固められていました。平和が戻り、コンクリートを剥がして緑を取り戻したニューバリーが戦後新たに創設したのが、この日の2レース。共に67回目を迎えましたが、今年は日本の終戦記念日に当たっていたため、当方もそのことを思い出しながら結果レポートを読んでしまいました。
ということで、最初はジェフリー・フリーア・ステークス Geoffrey Freer S (GⅢ、3歳上、1マイル5ハロン61ヤード)。馬場はかなりの雨が降ったため good to soft 、所によっては soft と夏競馬らしからぬ状態となり、3頭の取り消しが出て6頭立てで行われました。前走キングジョージで3着と大健闘したロムスダル Romsdal が9対4の1番人気。勝てばG戦初勝利となります。

先ず3番人気(4対1)のパラセイター Pallasator が逃げ、ロムスダルは積極的に2番手に付けましたが、3番手を追走していた2番人気(11対4)エージェント・マーフィー Agent Murphy の行き脚が良く、残り2ハロンで先頭。最後の1ハロンでは後続をグイグイと突き放し、最後方から伸びた5番人気(8対1)のウインドシーア Windshear に5馬身差を付ける圧勝です。更に4馬身半差で、これも後方に待機した最低人気(14対1)の9歳馬レッド・カドー Red Cadeaux が3着。ロムスダルは精彩を欠き、結局6着最下位と期待を裏切ってしまいました。キングジョージのレヴェルにも疑問符が・・・。
ブライアン・ミーハン厩舎、ジミー・フォーチュン騎乗のエージェント・マーフィーは、これがG戦初勝利の4歳馬。未だキャリア7戦目で、今期はアスコットのリステッド戦に勝った後フランスに遠征し、前走G戦初挑戦となるシャンティー大賞典(GⅡ)で3着していました。漸く開花した奥手のタイプで、次は愛セントレジャーでGⅠ獲りに挑みます。騎乗したマーフィーはロイヤル・アスコットで落馬負傷、3日前の水曜日に復帰したばかりで、このG戦勝利で愈々臨戦態勢が整ったと言えるでしょう。

もう一鞍のハンガーフォード・ステークス Hungerford S (GⅡ、3歳上、7ハロン)。当初16頭の多頭数が登録していましたが、予定外の雨により5頭が取り消し、結局11頭立ての競馬。ロッキンジ(6着)、クィーン・アン(7着)、サセックス(4着)とマイルのGⅠ戦を使われてきたヒア・カムズ・ウェン Here Comes When が11対4の1番人気。
ジョイント6番人気(10対1)のマーカズ Markaz が逃げ、本命馬は中団で待機。逃げ馬を差無く追っていたジョイント6番人気の1頭クールスティー Coulsty が抜けましたが、後方で前の攻防を窺っていた5番人気(15対2)アダーイ Adaay の末脚が爆発、クールスティーを半馬身差し切っての快勝です。頭差で3番手を進んでいた2番人気(5対1)のブレトン・ロック Breton Rock が3着に入り、ヒア・カムズ・ウェンは中団のまま7着敗退。

勝ったアダーイはウイリアム・ハッガス厩舎、ポール・ハナガン騎乗の3歳馬で、GⅡはヘイドックのサンディー・レーン・ステークスに続き2勝目。前走ロイヤル・アスコットのコモンウェルス・カップ(GⅠ)では7着と期待を裏切りましたが、レヴェルの高い3歳世代を代表するスプリンターです。
これまで走ったのは全て6ハロン戦でしたが、今回は初の7ハロン、しかも不良に近い重馬場でも適応力を見せ付け、オーナーのハムダン・アル・マクトゥーム氏も1マイル戦への挑戦を仄めかしています。来年も現役に留まることが決定しており、来期も含めて短距離から1マイルまでの可能性が広がりました。

 

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