来年のクラシックは、この牝馬?
昨日の土曜日、8月22日のヨーロッパは英愛仏3か国でG戦が行われ、大忙し。一日に三つの国からレポートするのは、5月13日以来今年になって2度目のことです。やや乱雑なレポートになりますが、英国に続いてアイルランドに飛びましょう。
この日のカラー競馬場は good to firm 、紹介するG戦は3鞍です。最初はルネサンス・ステークス Renaissance S (GⅢ、3歳上、6ハロン)。1頭が取り消して9頭立て。去年の2着馬で前走モーリス・ド・ギースト賞(GⅠ)でも3着と好走している7歳の古豪ゴードン・ロード・バイロン Gordon Lord Byron が13対8の1番人気。
レースは2番人気(9対4)の3歳馬トスカニーニ Toscanini が逃げましたが、最後方に待機した4番人気(8対1)のムーヴィエスタ Moviesta が一気の脚で追い上げ、トスカニーニを4分の3馬身捉えて優勝。ゴードン・ロード・バイロンは3番手に付けましたが、更に1馬身差の3着と又しても掲示板です。
勝ったムーヴィエスタは2013年のキング・ジョージ・ステークス(GⅡ)の勝馬で、勝星はそれ以来。当時は英国でブライアン・スマート師が管理していましたが、今期途中で現在のエディー・ライナム厩舎に転向した5歳馬。転厩初戦のダイアモンド・ジュビリー(GⅠ)は11着と奮わず、新しい本拠に戻ったサファイア・ステークス(GⅡ)が3着。再び渡英して2年前に制したキング・ジョージ挑戦も12着と再度凡走していました。
続いてデビュタント・ステークス Debutante S (GⅡ、2歳牝、7ハロン)。8頭が出走し、毎年このレースに能力の高い牝馬を送り込んでいるエイダン・オブライエン厩舎のバリードイル Ballydoyle が11対8の1番人気。
スタートから主導権を取ったバリードイル、そのまま4番手から追い上げる4番人気(8対1)の僚馬マインディング Minding に2馬身差を付ける楽勝で、オブライエン厩舎のワン・ツー・フィニッシュとなりました。首差で2番手を追走した2番人気(7対2)のモースト・ビューティフル Most Beautiful が3着。
ジョセフ・オブライエンが騎乗したバリードイルは、カラーのデビュー戦こそ4着でしたが、2戦目にはロイヤル・アスコットのリステッド戦(チェシャム・ステークス)で2着、そして前走ニューマーケットで鮮やかに勝っての連勝。
その名前から見ても判るように、全姉に愛1000ギニー馬ミスティー・フォー・ミー Misty For Me を持つガリレオ Galileo の良血馬。1000ギニーのオッズは10対1に上がり、現時点での本命。更にオークスにも10対1のオッズが出されています。次走はモイグレア・スタッド・ステークス(GⅠ)になる予定。
最後はカラー・ステークス Curragh S (GⅢ、2歳、5ハロン)。去年まではリステッド戦だった2歳戦で、この時期の2歳5ハロン戦ということから、来年のクラシックというより将来のスプリンターを産むレースでしょう。9頭が出走し、ナースのデビュー戦を3馬身差で圧勝したベアー・チーク Bear Cheek が13対8の1番人気。
4番人気(10対1)ドクター・ドロ Dr Doro の2番手に付けたベアー・チーク、評判通り抜け出すと、2番人気(2対1)インデペンデンス・デイ Independence Day に1馬身半差を付けて2戦2勝としました。更に3馬身4分の1差で7番人気(20対1)のブラッド・ムーン Blood Moon が3着。
勝馬を管理するゲール・ライオンズ厩舎、騎乗したコリン・キーンは、共に去年のアイニッペ Ainippe に続き2年連続制覇。去年のアイニッペはその後ドンカスターに遠征して成果がでませんでしたが、ゲール師によれば、アイルランドにはこの条件に適切なレースが無いことが問題とのこと。陣営としては、早くも来年のプランを立てる方向に傾いているようです。
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