2015ヨーク・イボア開催4日目、と

水曜日から行われてきたヨーク競馬場のイボア開催、最終日の昨日は開催の名称にもなっているイボア・ハンデが行われましたが、これは伝統あるハンデ戦でパターン・レースではありません。これに付いては最後に簡単に触れるとして、ここでは最終日に行われたG戦2鞍を取り上げます。
馬場はやや回復して good 。

先ずストレンソール・ステークス Strensall S (GⅢ、3歳上、1マイル208ヤード)は5頭もの取り消しがあって9頭立て。前走ポンテフラクトのリステッド戦を10馬身差で圧勝したモンダイアリスト Mondialiste が4対1の1番人気。
最低人気(66対1)でこれだけはチャンスが無いと思われていたドリーム・ウォーカー Dream Walker が逃げ、これを3番手で追走していたモンダイアリストが、2番手に付けたジョイント6番人気(8対1)のムタカイェフ Mutakayyef との一騎打ちを首差制して優勝。1馬身4分の1差でジョイント6番人気のベイシム Basem が3着に入りました。

デヴィッド・オメーラ厩舎、ダニー・タドホープ騎乗のモンダイアリストは、去年夏に現オーナーがフランスで購入した5歳馬で、3歳まではフレディー・ヘッド厩舎に所属し、2013年のジャン・プラ賞(GⅠ)で3着したこともある馬。オメーラ厩舎に転じた初戦は今期のリンカーン・ハンデ2着でしたが、その後アール・オブ・セフトン・ステークス(GⅢ)でも3着していました。
なお、タドホープ騎手はムチの過剰使用により4日間の騎乗停止を課せられています。

イボア開催最後のG戦は、勝馬のオーナーには年末のジムクラック・スピーチが課せられるというジムクラック・ステークス Gimcrack S (GⅡ、2歳牡せん、6ハロン)。1頭が取り消して8頭が出走し、アメリカのウェスリー・ワード師が送り込んだクールモアのフィネガン Finnegan が11対4の1番人気。
アメリカ馬の特徴である前半のスピードを活かして本命馬が逃げましたが、些かペースが速かったようで差し馬の競馬となり、3番手を追走していた2番人気(7対2)のアジャヤ Ajaya が後方から追い込む最低人気(25対1)のリブチェスター Ribchester に1馬身4分の1差で快勝。これも後方から伸びた5番人気(17対2)のラウクース Raucous が3着に入り、今年のヨークで大当たりのウイリアム・ハッガス師の1着3着となりました。フィネガンは7着に沈んでいます。

グレアム・ギボンズが騎乗したアジャヤは、2戦目に未勝利のままロイヤル・アスコットのノーフォーク・ステークス(GⅡ)に挑戦して7着。そのあとヨークの未勝利戦(5ハロン)に勝ち、前走フランスに遠征してロベール・パパン賞(GⅡ)でグタイファン Gutaifan の2着していた馬。これで目出度くG戦勝馬となり、ミドル・パーク・ステークス(GⅠ)を目指すことになるでしょう。

以上がヨークのG戦レポートですが、最後にイボア・ハンデ。毎年多頭数が出走して馬券的な妙味のあるレースで、今年も33対1の穴馬(リティガント Litigant)が制しています。人気は2頭が分け合いましたが、両馬とも夫々12・13着と大敗。勝った馬は何と去年4月以来の実戦と言うことで、4連勝にも拘わらず大穴になったわけ。ま、それでも日本で馬券が買えるようになることは絶対に無いでしょう。

さて昨日はヨーク競馬場の他にサンダウン競馬場でもG戦が2鞍行われています。それも簡単に。

こちらの馬場は good 、所により good to soft というヨークと似たような状態で、アタランタ・ステークス Atalanta S (GⅢ、3歳上牝、1マイル14ヤード)は13頭立て。人気は割れ、愛オークス馬カヴァート・ラヴ Covert Love の2着したことのあるタルマーダ Talmada と、前走アスコットのリステッド戦に勝ったエヴィータ・ペーロン Evita Peron が5対1のジョイント1番人気で並んでいました。
しかし結果は2頭とも夫々5着、11着と敗退。優勝は後方から追い込んだ7番人気(12対1)のナクティー Nakuti で、中団を進んだ3番人気(6対1)ブロンド・ミー Blond Me に首差、更にジョイント5番人気(8対1)のブラック・チェリー Black Cherry に半馬身差を付けていました。

勝ったナクティーは3走前にポンテフラクトのリステッド戦に勝っていた4歳馬で、前走アスコットのハンデ戦は5着、シルヴェスター・カーク厩舎、これがサンダウン初体験だったというベン・カーティスの騎乗でした。

イギリスの最後はソラリオ・ステークス Solario S (GⅢ、2歳、7ハロン16ヤード)。1頭が取り消して10頭立て。去年のこのレースをアクタバンタイ Aktabantay で制しているヒューゴー・パーマー厩舎のゼイ・シーク・ヒム・ヒア They Seek Him Here が3対1の1番人気。
ジョイント2番人気(4対1)のファースト・セレクション First Selection が逃げ、本命馬は3番手を追走しましたが、結局は逃げ切り勝ち。半馬身差の2着にも2番手を追走していた同じ4対1のマナーフィー Manaafidh が入り、1馬身半差で最低人気(25対1)のミスター・ウィザード Mr Wizard が3着。ゼイ・シーク・ヒム・ヒアは4着に終わっています。

勝馬を管理するサイモン・クリスフォード師は、つい最近までゴドルフィンのレーシング・マネージャーを務めていた方で、調教師に転じて最初のG戦勝利となります。ジョージ・ベイカー騎乗。
ファースト・セレクションはこれで5戦4勝。敗戦は3戦目のコヴェントリー・ステークス(GⅡ)9着のみで、前走はニューマーケットのナーザリー戦に勝っていました。オーナーの意向もあり、この馬はドバイのUAE2000ギニーを目標とする由。ヨーロッパのクラシックには縁がなさそうなタイプです。

 

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