ロンシャン開幕週のGⅢ

秋競馬に突入したフランス、ロンシャン競馬場はダレンベルク賞で一足先に開幕しましたが、今週末が本来の第1週に当たります。例年通りGⅢ戦が3鞍。余り詳しい情報が入っていませんが、結果だけでも簡単に紹介しておきましょう。

この日の馬場は good 、最初のリュテース賞 Prix de Lutece (GⅢ、3歳、3000メートル)は3歳馬限定の長距離戦で、当然ながら頭数は少なく6頭立て。これまでG戦で活躍した馬も姿を見せず、拮抗したオッズの中、前走ドーヴィルで3000メートルのリステッド戦に勝ったビッグ・ブルー Big Blue が9対5の1番人気。
5番人気(73対10)のピランスバーグ Pilansberg が逃げ、ビッグ・ブルーは3番手から外に出して追い上げに掛かりましたが、後方で待機した2番人気(2対1)のヴァジラバド Vazirabad の瞬発力が勝り、本命馬を1馬身4分の1差し切っての優勝。4分の3馬身差で最低人気(それでも84対10)のスラティーナ Slatina が3着に入りました。

勝ったヴァジラバドはアガ・カーンの所有馬で、アラン・ド・ロワイヤー=デュプレ厩舎、クリストフ・スミオン騎手のコンビ。これが未だ5戦目と経験の浅い馬で、3戦目に地方競馬ディエッペの3000メートル戦で初勝利を挙げ、ドーヴィルで2700メートルの条件戦を連勝してこれで3連勝。このあとはショドネー賞(凱旋門賞の前日に行われる3000メートルのGⅡ戦)を目指しますが、来年の長距離戦が本当の勝負所でしょう。

続いては2歳馬のラ・ロシェット賞 Prix la Rochette (GⅢ、2歳、1400メートル)。凱旋門賞週間のジャン=リュック・ラガルデール賞のトライアル的な性格の一戦。ここも6頭と出走馬は少なく、ヴィシーの未勝利戦(1200メートル)とドーヴィルのリステッド戦(1400メートル)を連勝中のエイム・トゥー・プリーズ Aim To Please が21対10の1番人気。
ジョイント2番人気(33対10)のロウメイキング Lawmaking が逃げ、エイム・トゥー・プリーズは内を先行していましたが精彩を欠き、結局は最下位に敗退。最後方から追い込んだジョイント2番人気のオマール・ブラッドリー Omar Bradley が一旦抜けて先頭に立ちましたが、4番手を追走していたジョイント4番人気(49対10)のアタンデュ Attendu が差し返し、逃げたロウメイキングを交えた3頭の大接戦。写真判定の結果、アタンデュが頭差でロウメイキングを抑え、短首差でオマール・ブラッドリーが3番手でした。

カルロス・ラッフォン=パリアス厩舎、マクシム・グィヨン騎乗のアタンデュは、ドーヴィルの未勝利戦(共に1200メートル)を2戦目で勝ち、これで3戦2勝2着1回。本来なら同じ1400メートルのラガルデールと行きたい所ですが、今年からこのGⅠ戦はグラン・クリテリウムと呼ばれていた以前の1600メートルに延長されます。血統的にこの時点での1マイルは長いと思われる同馬、登録のあるデューハースト・ステークス(7ハロン)に向かうことも考慮中とのことでした。

最後も7ハロンのパン賞 Prix du Pin (GⅢ、3歳上、1400メートル)。ここは10頭と頭数も揃い、前走ドーヴィルで1600メートルのリステッド戦で2着したプロジェクテッド Projected が21対10で1番人気。
逃げたのは7番人気(93対10)のナイト・オブ・ライト Night of Light でしたが、残り1ハロンで先行していた6番人気(79対10)の牝馬ラ・ベルマ La Berma が抜け出した所に、後方待機の2番人気(57対10)タニヤー Taniyar が鋭く追い込んでラ・ベルマを1馬身4分の1差捉えて優勝。短頭差で後方から追い込んだ3番人気(66対10)のライド・ライク・ザ・ウインド Ride Like The Wind が3着に入り、プロジェクテッドは中団のまま7着に終わりました。1着から3着までは全て3歳馬。

勝ったタニヤーは、リュテース賞を制したヴァジラバドと同じアガ・カーン、アラン・ド・ロワイヤー=デュプレ、クリストフ・スミオンのトリオで、この日のG戦ダブル。前走は本命馬が2着だった同じドーヴィルのリステッド戦に出走していて、ライヴァルとは1馬身半ほどの差で4着でした。これまで1マイルを中心に使われてきましたが、1ハロン短いこの距離の方が適性がありそう。ということで、次走の狙いはフォレ賞(1400メートルのGⅠ戦)になりそう。

 

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