アメリカも今週から秋競馬
夏競馬を東西同時に閉幕したアメリカ競馬、今週は早くもベルモント競馬場が開幕し、事実上の秋競馬スタートです。G戦は今週土曜日の5鞍だけという比較的静かなスタートですが、順次見ていきましょう。
先ずはそのベルモント競馬場で行われた秋競馬最初のG戦、サンズ・ポイント・ステークス Sands Point S (芝GⅡ、3歳牝、9ハロン)。雨で good に渋った馬場に2頭が取り消して10頭立て。前走サラトガでレイク・プラシッド・ステークス(芝GⅡ)に勝ったセンティエロ・イタリア Sentiero Italia が8対5の1番人気。
8番人気(24対1)のキャラ・マリー Cara Marie が2番手以下をやや離して逃げましたが、その2番手をマークしたセンティエロ・イタリアが第4コーナーでこれを外から捉えると、前半後方2番手から内ラチを衝いて追い込む7番人気(16対1)でこれがアメリカ・デビューとなるブロンド・ミー Blond Me を3馬身4分の3差抑えて人気に応えました。首差で4番手を進んだ2番人気(9対2)のミス・テンプル・シティー Miss Temple City が3着。
キアラン・マクローリン厩舎、ジョエル・ロザリオ騎乗のセンティエロ・イタリアは、これで同じ距離のレイク・プラシッドに続くG戦2連勝。通算成績も6戦4勝となります。
続いてチャーチル・ダウンズ競馬場から2鞍の2歳戦。いずれも勝馬にはブリーダーズ・カップへの優先出走権が与えられるレースで、先ず牝馬のポカホンタス・ステークス Pocahontas S (GⅡ、2歳牝、8.5ハロン)は去年までGⅢでしたが、今年からGⅡに格上げされました。8頭が出走し、アディロンダック・ステークス(GⅡ)の勝馬ジャスト・ウィッケド Just Wicked が1対2の断然1番人気。
レースは5番人気(11対1)のデックド・アウト Decked Out が逃げましたが、直線は横に大きく広がってどの馬にもチャンスがある流れ。その中から抜け出したのは、前半は最後方で待機していた3番人気(7対1)のドスラキ・クィーン Dothraki Queen で、前が開くのを待って思い切り内ラチ沿いを抜けて先頭に躍り出ると、3番手を進んだボールド・クオリティー Bold Quality に半馬身差で優勝。2馬身4分の1差で5番手から伸びたドリーム・ダンス Dream Dance が3番手で入線しましたが、ヘルナンデス騎手からの異議申し立てで2着と3着が入れ替わりました。
ケネス・マクピーク厩舎、コーリー・ラヌリー騎乗のドスラキ・クィーンは、7月にエリス・パークで1マイルの新馬戦に勝ったばかり。出走馬中唯1頭コーナーを二度回る距離を経験していました。これで2戦2勝、無敗でBCへの切符を手にしたことになります。ケンタッキー・オークス馬ブラッシング・ケー・ディー Blushin K D の半妹と血統的背景も充分。
チャーチル・ダウンズのもう一鞍は、牡馬によるイロコイ・ステークス Iroquoi S (GⅢ、2歳、8.5ハロン)。1頭が取り消して11頭立て。デビュー戦は2着ながら内容も良く、事前の調教も目立った評判馬のコンケスト・ウインディーシティー Conquest Windycity が2対1の1番人気。
レースは3番人気(6対1)のコンドミニアム Condominium と8番人気(15対1)のエクスペクテッド・ルーラー Expected Ruler が競り合いながら後続を引き離して逃げましたが流石にバテ、替って4番手から3番手へと順位を上げた5番人気(9対1)のコックド・アンド・ローデッド Cocked and Loaded が第3コーナーで一気に先頭に立つと、7番手から追い込む6番人気(11対1)のレイテッド・アール・スーパースター Rated R Superstar に2馬身差を付けて快勝。1馬身差で5番手を進んだ2番人気(3対1)のアンブライドルド・アウトロー Unbridled Outlaw が3着に入り、コンケスト・ウインディーシティーは後方から追い上げるも4着まで。
ラリー・リヴェリ厩舎、エマヌエル・エスキヴァル騎乗のコックド・アンド・ローデッドは、6月に5.5ハロンの一般ステークス(トレモント・ステークス)に勝ったものの、サンフォード・ステークスとアーリントン=ワシントン・フューチュリティーでは掲示板から外れていた馬。距離が伸びて能力を発揮し、BCへの優先出走権と同時に、来年のケンタッキー・ダービーへの10ポイントも獲得しました。(1着から4着まで夫々10-4-2-1ポイントが付与される)
次はルイジアナ州のルイジアナ・ダウンズ競馬場に行きましょうか。スーパー・ダービー Super Derby (GⅡ、3歳、9ハロン)とは大仰なレース名ですが、実態はルイジアナ産馬のチャンピオン決定戦の様なモノ。fast の馬場に7頭が出走しましたが、G戦勝馬は無く、アイオワ・ダービー(GⅢ)で2着の経験があるアライド・エア・レイド Allied Air Raid が9対5の1番人気。
3番人気(3対1)のプライム・エンジン Prime Engine が逃げましたが、後方を進んだ4番人気(4対1)のモビール・ベイ Mibile Bay が直線で大外から伸び、5番手から伸びた5番人気(10対1)のチョコポロジー Chocopologie に2馬身4分の1差を付ける逆転劇。1馬身差で3番手を進んだ人気のアライド・エア・レイドが3着に入りました。
これがG戦初勝利となるヴィクター・アルセノー厩舎、エドガー・プラード騎乗のモビール・ベイは、3連勝した後このレースのトライアルとなるスーパー・ダービー・プレリュード・ステークスで3着に敗れ、人気を落としていました。もちろんこれがG戦初勝利となります。
この日はもう一鞍、ケンタッキー・ダウンズ競馬場でケンタッキー・ターフ・カップ Kentucky Turf Cup (芝GⅢ、3歳上、12ハロン)が予定されていましたが、雨のために開催が延期、後日代替レースとして延期されることが決まりました。以上が土曜日のアメリカ競馬レポートです。
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