9月第1週のアメリカ競馬から

この週末はいろいろ立て込んでいて、アメリカ競馬にまで手が回りません。それでもずっと続けてきたレポートですから、結果だけでも簡単にアップしておこうと思います。
9月7日のアメリカは5つの競馬場で合計7鞍のG戦。当方にとってはGⅠが無いのが救いで、順次紹介して行きましょう。

最初はアーリントン競馬場のアーリントン=ワシントン・フューチュリティー Arlington-Washington Futurity (GⅢ、2歳、8ハロン)。馬場は fast 、2頭取り消して7頭立て。新馬戦圧勝のハイ・ロール High Roll が3対1の1番人気に支持されていましたが、他も差無く続く混戦の人気。
優勝は、スタート先頭から一旦2番手に下げ、再びリードを奪った同じ3対1のソリタリー・レンジャー Solitary Ranger の圧勝。5馬身半差でホワイルーオウサム Whyruawesome が2着、更に6馬身4分の3差でシー・エヌ・オー Cee ‘n O が3着。ハイ・ロールは5着敗退。
ウェイン・カタラーノ調教師はこのレース3勝目、騎乗したフロラン・ジェルーは初勝利。勝馬はこれが3戦目での初勝利。キーンランドで2着が続きましたが、前走はヨーロッパでGⅠを制したノー・ネイ・ネヴァー No Nay Never の2馬身差2着。初勝利でも実力は証明済みの1頭でした。

この日はアーリントン=ワシントン・ラッシー・ステークス(2歳牝、1マイル)も行われていますが、今年からリステッド戦に格下げされたので省略。

続いてベルモント・パーク競馬場のボウリング・グリーン・ハンデキャップ Bowling Green H (芝GⅡ、3歳上、10ハロン)。firm の馬場に6頭立て。マンノ・ウォー・ステークス(芝GⅠ)勝馬ボイステラス Boisterous が3対5の1番人気に支持されていましたが、前走に続く凡走で期待に応えられず。
優勝は5番手からの追い込みが決まった2番人気(5対2)のハイパー Hyper 。半馬身差2着にはフィネガンズ・ウェイク Finnegans Wake が入り、2馬身差3着に漸くボイステラスの順。
チャド・ブラウン厩舎、ハヴィエル・カステラノ騎乗のハイパーは、これがG戦初勝利。前走条件ステークスに続いての2連勝です。

3つ目に取り上げるのは、デラウエア・パーク競馬場のケント・ステークス Kent S (芝GⅢ、3歳、9ハロン)。firm の馬場、1頭取り消しての7頭立て。ここは6対5の1番人気に支持されたアー・ユー・キディング・ミー Are You Kidding Me が人気に応えての逃げ切り勝ちを演じました。
4馬身の大差が付いて2着はマイケル・ウィズ・アス Michael With Us 、頭差3着にハード・イナフ Hard Enough 。
ロジャー・アトフィールド厩舎、ラジーヴ・マラー騎乗のアー・ユー・キディング・ミーは、カナダ本拠の馬で、カナダ国外ではこれが初勝利。シーズン当初にはフロリダ・ダービー(GⅠ)に参戦するも8着に終わっていた馬。芝コースの適性が活きたようです。前走ウッドバイン(カナダ一の競馬場)のトロント・カップ・ステークスは2着でした。

そしてルイジアナ・ダウンズ競馬場からはスーパー・ダービー Super Derby (GⅡ、3歳、9ハロン)。fast の馬場、7頭が出走し、前走ウエスト・ヴァージニア・ダービー(GⅡ)を制したデパーティング Departing が1対5の圧倒的1番人気。
前半4番手から徐々に進出したデパーティング、直線では後続を寄せ付けず、2着ルーラー・オブ・ラヴ Ruler of Love に4馬身差を付ける貫録勝ち。更に3馬身でカメオ・アピアランス Cameo Appearance が3着。
アルバート・ストール厩舎、ロビー・アルバラード騎乗のデパーティングは、4月にもイリノイ・ダービー(GⅢ)に勝っており、3つ目のG戦勝利。ここでは一枚も二枚も上の成績でした。

最後にチャーチル・ダウンズ競馬場の3鞍。いずれも去年は10月末から11月にかけて実施されたレースで、BCに合わせて開催そのものが前倒しになっています。
先ず2歳馬による比較的長距離戦が続きますが、いずれもBCへの優先出走権を掛けたレース。共に去年は8ハロンで行われましたが、今年は更に100メートルほど延長。最初は牝馬によるポカホンタス・ステークス Pocahontas S (GⅡ、2歳牝、8.5ハロン)。8頭立て、デビュー戦で12馬身差の圧勝を演じたストーンタスティック Stonetastic が8対5の1番人気。
しかし優勝は、本命馬を4番手で追走した4番人気(5対1)のアンタパブル Untapable 。長い直線の叩き合いに持ち込み、ストーンタスティックを外から半馬身差捉えての優勝です。2馬身差3着はロザリンド Rosalind 。
スティーヴン・アスムッセン厩舎、ロージー・ナプラヴニク騎乗のアンタパブルは、6月に新馬勝ちしたあとサラトガのアディロンダック・ステークス(GⅡ)に登録するも、脚部不安が発覚して取り消していた馬。芝のGⅠ馬パディー・オー・プラード Paddy O’Prado の半妹という血統的裏付けもある1頭です。

次は2歳牡馬のためのイロコイ・ステークス Iroquois S (GⅢ、2歳、8.5ハロン)。2頭取り消して10頭立て。新馬戦を7馬身差で圧勝したライド・オン・カーリン Ride On Curlin が2対1の1番人気。
しかしレースは大波乱。前半最後方に待機したブービー人気(34対1)のクリバーン Cleburne が大外から一気の追い込みで逆転劇を演じました。2着は首差で、これも土壇場で追い込んだスマート・カヴァー Smart Cover 、3着も首差でタピチュア Tapiture と大接戦。人気のライド・オン・カーリンは4着敗退。
デール・ロマンス厩舎、コーリー・ラヌリー騎乗のクリバーンは、BCジュヴェナイルへの優先出走権を獲得すると同時に、来年のケンタッキー・ダービーへの最初のポイントも獲得しています。

最後はアック・アック・ハンデキャップ Ack Ack H (GⅢ、3歳上、8ハロン)。去年はBC当日に行われた一戦ですが、今年はトライアルの一つに数えられる一戦です。但し優先出走権はありません。8頭立て、前走一般ステークスながら圧勝したタップタウン Taptowne が2対1の1番人気。
そのタップタウンが直線で先頭に立ちましたが、3~4番手を追走した2番人気(5対2)のパンツ・オン・ファイア Pants On Fire が外から捻じ伏せるようにして優勝。2馬身4分の3差でタップタウン、4分の3馬身差でグッド・モーニング・ディーヴァ Good Morning Diva が3着。
ケリー・ブリーン厩舎、パコ・ロペス騎乗のパンツ・オン・ファイアは、7月28日のモンマス・カップ・ステークス(GⅡ)に勝って一昨年のルイジアナ・ダービー(GⅡ)以来久々にG戦に勝っていた馬。ここに来てG戦を連勝し、古豪復活の印象です。

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