ガリレオのクラシック候補2頭

逸早くシーズンのクライマックスを過ぎたアイルランド、昨日はカラー競馬場で2歳戦が2鞍行われました。ベレスフォード・ステークスは今年最後のGⅡ戦で、アイルランドの平場G戦は残すところ、10月のGⅢ戦3鞍となります。

さて good の馬場で行われた2レース、先ず牝馬によるパーク・ステークス Park S (GⅢ、2歳牝、7ハロン)は10頭立て。オブライエン厩舎の馬3頭対ボルジャー厩舎の馬3頭と言う対決の構図でしたが、15対8の1番人気に支持されたのはオブライエン厩舎のハウ・ハイ・ザ・ムーン How High The Moon 。復帰したライアン・ムーアが選んだのが人気の理由でしょうが、前走カラーのリステッド戦で2着した1勝馬です。
先ずオブライエン軍団のペースメーカーを務める5番人気(12対1)のカインド・オブ・マジック Kind Of Magic が逃げてペースを作ります。これを2番手で追走した4番人気(11対1)でワッチマン厩舎のラスト・ワルツ Last Waltz が捉えて一旦先頭に立ちましたが、伸びたのは本命馬ではなく、中団に待機したオブライエン厩舎の第二の矢である2番人気(5対2)のクールモア Coolmore 。最後は左に寄れながらも、3番手から進出した3番人気(3対1)のアナンバ Anamba に半馬身の差を付けていました。短頭差でラスト・ワルツが3着に粘り、後方に待機したハウ・ハイ・ザ・ムーンは失望の6着敗退。

勝ったクールモアは、もちろんエイダン・オブライエン師が管理するクールモアの所有馬で、こちらはジョセフ・オブライエンが騎乗していました。実はこの馬、未勝利馬としての参戦で、カラーのデビュー戦(1マイル)が3着、前走レパーズタウンの未勝利戦(7ハロン)も2着でしたが、何と言ってもグレンイーグルス Gleneagles の全妹という良血馬。初勝利がG戦ということで、来年の1000ギニーに16対1、オークスにも14対1のオッズが出されました。

もう一鞍はシーズン最後のGⅡ戦、ベレスフォード・ステークス Beresford S (GⅡ、2歳、1マイル)。こちらは9頭立てで、オブライエン厩舎の3頭対ウェルド厩舎の2頭と言う構図です。9対4の1番人気には両陣営の2頭が並び、オブライエン厩舎はやはりムーアが選んだビーコン・ロック Beacon Rock と、ウェルド厩舎は首戦スマーレンが乗るトゥルー・ソリテール True Solitaire 。前者はカラーの1マイルで初勝利を挙げたばかり、後者は前走ジュヴェナイル・ステークス(GⅢ)の2着馬です。
そのトゥルー・ソリテールがダッシュ良く飛び出しましたが、オブライエン厩舎のペースメーカー役で6番人気(14対1)ポート・ダグラス Port Douglas が押して先頭を奪い、ペースを作ります。一旦2番手に下げたトゥルー・ソリテールが前を交わして再び先頭に立ちましたが、意外にもペースメーカーが二の足を使って差し返し、ここに後方2番手から追い上げるビーコン・ロックが加わる三つ巴。写真判定の結果、ポート・ダグラスが短頭差でトゥルー・ソリテールを抑え、首差でビーコン・ロックが3着でした。

エイダン・オブライエン厩舎の3頭の中では最も人気が無かったポート・ダグラスは、恐らくこれがG戦初勝利となるエメット・マクナマラ騎乗。オブライエン師は去年に続き、このG戦デイでダブル達成です。レパーズタウンのデビュー勝ちは注目される内容だったものの、その後の2戦(レパーズタウンの一般戦2着、ティッペラリーのリステッド戦4着)が怠惰な走りで凡走し、今回はブリンカーを装着してレースに集中させたのが奏功したようです。今期はもう一戦、レーシング・ポスト・トロフィー(GⅠ)で真価を問う予定とのことでした。
パーク・ステークスに勝ったクールモアと同じガリレオ Galileo 産駒で、こちらはドイツの長距離血統馬が母。兄のヴァルツァータクト Walzertakt は今年、モーリス・ド・ニエィユ賞(GⅡ、2800メートル)に勝っており、ポート・ダグラスも典型的なステイヤー・タイプ。寧ろダービー、セントレジャー向きの馬と思われますが、2000ギニーに25対1のオッズが出されました。

 

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