９月最後のアメリカＧ戦
今週のアメリカは日曜日もＧ戦があって、比較的地味なレースが行われました。
最初にベルモント・パーク競馬場で行われたミス・グリロ・ステークス Miss Grillo S (芝ＧⅢ、２歳牝、８．５ハロン)から。勝馬にはＢＣジュヴェナイル・フィリーズ・ターフへの優先出走権が付与される芝の２歳戦とあってヨーロッパからの登録や移籍組が目立ちましたが、結局イギリスのハノン厩舎が登録していたベルヴォア・ベイ Belvoir Bay が取り消し、firm の馬場に１０頭立て。余り馴染の無い名前が並ぶ中、フランスで競馬していたラニータ Llanita が２対１の１番人気。
レースは大外発走の９番人気(４２対１)チンチラ・ダスト Chinchilla Dust と、６番人気(２４対１)のルック・フーズ・トーキング Look Who’s Talking がハナを争う流れ。最後はルック・フーズ・トーキングが先頭に立って直線に入りましたが、前半５番手に付けていた３番人気(７対２)のティン・タイプ・ギャル Tin Type Gal が中央から鋭く伸び、３番手追走から内ラチ一杯を追い込む２番人気(５対２)のスリルド Thrilled との叩き合いをハナ差で制して優勝。１馬身半差で後方３番手から４番人気(５対１)のタイム・アンド・モーション Time and Motion が追い込んで３着。後方４番手から外を追い上げたラニータも頭差４着に食い込んでいました。上位人気４頭が１着から４着を占めたのですから、順当と言って良いでしょう。
グレアム・モーション厩舎、ルイス・サエズ騎乗のティン・タイプ・ギャルは、サラトガで同じ距離の芝コースで勝っていた馬。デビューのダート戦は着外でしたが、苦にするタイプではないとのこと。それでも芝では２戦２勝となり、当然ながら芝のＢＣを目指すことになります。母ミス・ショップ Miss Shop はパーソナル・エイサイン・ステークス(ＧⅠ)に勝った名牝。
次はオクラホマ州レミントン・パーク競馬場から、このコースで行われる唯一のＧ戦でもあるオクラホマ・ダービー Oklahoma Derby (ＧⅢ、３歳、９ハロン)。今年が２７回目ですが、Ｇ戦に格上げされてからは３年目を迎えました。レースのビデオにはオッズが表示されないので人気はほとんど判りませんが、地元馬も含めアメリカから１２頭が集結。
恐らく人気の一角と思われる５対２のショットガン・カウボーイ Shotgun Kowboy が逃げ、そのまま追い込む７対２のデザート・ダイナモ Desert Dynamo に半馬身差を付けて逃げ切り勝ち。４馬身差の３着には９対２でスーパー・ダービー(ＧⅡ)勝馬のモービル・ベイ Mobile bay が追い込みました。
Ｃ・Ｒ・トラウト厩舎、クリフトン・ベリー騎乗のショットガン・カウボーイは、オクラホマ産の地元馬。オクラホマでもサラブレッド生産があるのかと素人は思いますが、２歳時はレミントン・パークの２歳チャンピオンだった存在。ただ３歳時には疝痛を患って長期休養を余儀なくされ、復帰したのが８月２９日のこと。その復帰戦を２着以下に１１馬身以上の大差を付けて楽勝し、通算成績は６戦４勝２着１回３着１回となります。ステークスは２歳時にレミントンで２勝しており、３勝目でＧ戦は初勝利。
最後は、開幕二日目となるサンタ・アニタ競馬場のシティー・オブ・ホープ・マイル City of Hope Mile (芝ＧⅡ、３歳上、８ハロン)。firm の馬場に１頭が取り消して８頭立て。去年のこのレース３着馬で、芝のＧ戦を２連勝中のアヴェンザーリ Avenzare が８対５の１番人気。
レースは最低人気(４３対１)のホット・ホット・ヒート Hot Hot Heat が逃げましたが、４番手を進んだ３番人気(４対１)のアラート・ベイ Alert Bay が第４コーナーで３番手の外から追い上げ、２番手先行から粘る６番人気(１８対１)のビッグ・カザノヴァ Big Cazanova を１馬身捉えて優勝。更に１馬身半差で３番手追走のアヴェンザーリは３着でした。去年の勝馬で５番人気(１４対１)だったビッグ・ベイン・セオリー Big Bane Theory は後方２番手から末脚に賭けるも不発で７着敗退。
ブレイン・ライト厩舎、マーチン・ガルシア騎乗のアラート・ベイは、去年の暮れに同じサンタ・アニタでマティス・ブラザーズ・マイル(芝ＧⅢ)に勝ってアメリカでＧ戦初勝利を挙げていたカナダ出身の４歳せん馬。それ以来となるＧ戦勝利でした。通算成績は１９戦１０勝、内ステークスはカナダのＧⅢ戦２勝を含めて８勝となります。
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