今年もアスコットとニューマーケットで同時G戦

今週のヨーロッパは何と言っても凱旋門賞が世界から注目されていますが、土曜日は英国でもアスコットとニューマーケットという2大競馬場で夫々G戦が行われています。
時間的に早かったアスコット競馬場の2鞍から行きましょう。

この日の馬場は good 、先ずカンバーランド・ロッジ・ステークス Cumberland Lodge S (GⅢ、3歳上、1マイル4ハロン)は8頭立て。固く収まるのが例年の傾向で、今年は2頭が7対2の1番人気で並びました。カナダ国際に勝っている5歳馬のヒルスター Hillstar と、急成長で2連勝中の3歳馬スター・ストーム Star Storm です。
スタートして2ハロン地点から3番人気(9対2)のロムスダル Romsdal が先頭に立って逃げ込みを図りましたが、後方2番手に待機したスター・ストームが一気に追い上げ、これも後方5番手から伸びた最低人気(14対1)のミスト・コール Missed Call に2馬身4分の3差を付けて優勝。更に2馬身差で6番手から伸びたヒルスターは3着でした。

1・2着は共にジェームス・ファーンショウ厩舎の管理馬で、勝馬に騎乗していたのはトム・クィーリー。スター・ストームが未勝利を脱したのは2走前のヘイドックで、前走はヤーマス競馬場のハンデ戦。未勝利戦からG戦へと一気に3連勝で駆け上がり、今期最も急成長した1頭に数えられるのではないでしょうか。

続いてはベングー・ステークス Bengough S (GⅢ、3歳上、6ハロン)。9頭が出走し、前走ドンカスターのパーク・ステークス(GⅡ)で4着したナーディール Naadirr が不思議なことに4対1で1番人気。リステッド戦レヴェルに勝っただけの馬にしては、過剰な評価かも知れません。
スタートが最も良かったのは9対2の2番人気で並んだ3頭の一角イースタン・インパクト Eastern Impact でしたが、1ハロン行った地点で最低人気(33対1)のザネット Zanetto が交わして先頭。人気のナーディールも先行から抜け出しに掛かりましたが、一旦2番手に控えたイースタン・インパクトが渋太く差し返し、本命馬との叩き合いを首差で制していました。半馬身差で後方から追い込んだ9対2の1頭ポリピウス Polybius が3着。

リチャード・ファヘイ師が管理するイースタン・インパクトは、3走前のジュライ・カップ(GⅠ)で3着と大健闘した4歳馬で、そのあとチェスター競馬場でリステッド戦に優勝。前走ヘイドックのスプリント・カップ(GⅠ)は相手が強かったことと苦手の重馬場に泣いて7着に沈みましたが、ここではGⅠ戦3着の実力を証明してのG戦初勝利です。騎乗していたジャック・ガリティー Jack Garritty 騎手にとっても嬉しいG戦初勝利でした。

一方ニューマーケット競馬場では牝馬による1マイルのGⅠ戦、サン・チャリオット・ステークス Sun Chariot S (GⅠ、3歳上牝、1マイル)。散水して good to firm と秋競馬らしくない馬場に9頭が出走し、フランスから遠征してきたGⅠ馬エソテリク Esoterique が11対8の1番人気に支持されていました。去年の覇者でディフェンディング・チャンピオンのインテグラール Integral は4対1の2番人気、今期は2戦して成績は今一つです。
そのインテグラールのムーア騎手は思い切った先行策。まんまと図に当たったかに見えましたが、抜け出すのに苦労していたエソテリクが残り1ハロンで前が空くと、インテグラールを一気に半馬身捉えて人気に応えました。1馬身半差でブービー人気(20対1)のアイリッシュ・ルーキー Irish Rookie が2番手を粘っての3着。

アンドレ・ファーブル厩舎、ピエール=シャルル・ブードー騎乗のエソテリクは、前走ドーヴィルのジャック・ル・マロワ賞に続くGⅠ戦2連勝。今回はロンシャンのGⅡ(ダニエル・ウイルデンシュタイン賞)との間で迷った末、ペナルティーの無い英国のGⅠ戦を選んで正解でした。このあとはアスコット、BC、日本、香港などが候補に挙がっていますが、現時点では未定。決まっているのは来年6歳も現役を続けることだけだそうです。

 

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