第348回・鵠沼サロンコンサート

前日の鶴見に続き、昨日は鵠沼海岸でサロンコンサート。最近は専ら神奈川県に脚が向いているメリーウイロウです。
ここ数回は鎌倉散策から鵠沼というコースを辿ってきましたが、昨日は拙宅から藤沢に直行しました。当初は鎌倉五山の紅葉を楽しんでから回ろうかとも考えたのですが、多少疲れもあり、紅葉は散々見尽くして食傷気味になっていたからでもあります。

家を夕方5時少し前に出て、6時チョッと過ぎには鵠沼海岸のレスプリ・フランセに到着と言うアクセスの良さ。改めて立地に恵まれていることをありがたく思いましたね。
で、今年最後のサロンコンサートは、クラリネット界の重鎮ペーター・シュミードルと佐々木秋子のリサイタル。実際に演奏されたのは次の曲目でした。

R.シュトラウス/ロマンス変ホ長調
ブラームス/クラリネット・ソナタ第1番・第2番 作品120から
~休憩~
シューマン/幻想小曲集 作品73
ウェーバー/協奏的大二重奏曲 作品48
クラリネット/ペーター・シュミードル
ピアノ/佐々木秋子

実は今回、当初は前半にシューマンとブラームスのソナタ第2番、後半がシュトラウスとウェーバーという発表でした。それがシュミードル氏の希望で、上記の様に変更された次第。
この組み合わせは、先日ウィーンで行ったリサイタルの通りに演奏したいという氏の要望で、曲順と曲の一部が変更されたものです。結果論ですが、ロマン派のクラリネット作品を、時代を遡りながら楽しむという回でもありました。

最初に余計な事を書くと、オックスフォードの音楽辞典によれば、「演奏会」には狭義の区分があり、一人乃至二人で演奏するものが「リサイタル Recital」、三人以上の演奏者を必要とするものを「コンサート Concert」と呼ぶのだそうな。
今回は広義で言うコンサートですが、厳密にはシュミードル/佐々木のデュオ・リサイタルが正しい表記でしょうか。

シュミードル氏については改めて紹介するまでも無いでしょう。祖父の代から3代に亘ってウィーン・フィルのソロ・クラリネット奏者の重責を担ってきた名手。鵠沼でも何度か出演要請をされてきたそうですが、漸くウィーン・フィルを定年し、時間が取れるようになったとのこと。長年のオファーが叶った初登場です。
ピアノの佐々木氏は桐朋学園出身。フライブルクに留学して研鑽を積み、シュミードル氏とも共演を重ねてきた方。息もピッタリというところですが、彼女によればやはりシュミードルとの共演は緊張するのだそうです。もちろん良い意味で。

リヒャルト・シュトラウスのロマンスは初めて聴く曲で、作曲者15歳の時の作品だそうな。とても若書きとは思えないシッカリした作風で、シュトラウスの貴重な室内楽文献と言えそう。ヴィオラやチェロで弾くことも可能だろうと思いました。
続いてブラームスですが、今回は第1番の第1楽章 Allegro appasionato (へ短調)、第2番の第2楽章 Allegro appassionato (変ト長調)、第1番の第4楽章 Vivace (へ長調)の順番での演奏。二つある作品120から抜き出して組み合わせるという滅多にない、新たな試み(シュミードル談)でした。
エッ、そんなことが可能なのかと驚きましたが、聴いてみれば何の違和感もなく、歴戦の名手が吹くだけに、“恐れ入りました!”と感服するしかありませんね。こういう荒業、他のジャンルでも出来るかも・・・。

後半最初のシューマン、鵠沼では定番の作品なのだそうで、今年に限ってもマーク・シューマン君のチェロ版に続く2回目とのこと。常連諸氏もお馴染みの作品に酔い痴れていた様子でした。
最後はウェーバーの大作。楽章番号は記されていませんが、Allegro con fuoco 、Andante co moto 、RONDO Allegro の明確に分かれた3楽章から成り、プロのクラリネット奏者にとっても大変なエネルギーと集中力が必要でしょう。

奏者との距離がたったの1メートルという近距離で聴くシュミードルの息遣い、サロンならではの楽しくも贅沢な2時間です。
大作を吹き(弾き)終えた後もアンコールが一つ。有名なシューベルトのセレナーデでクラリネットの美音を十二分に楽しんできました。

今年のサロンはこれで終わりですが、寒の最中である1月と2月は午後3時からのマチネー。1月のアヴォス・ピアノ・クァルテットは、当初のニューイヤーお楽しみプロから本格的なマーラー/モーツァルト/ブラームス・プロに変更になった由。これまでの出演者と演奏曲目を知って、本格的なプログラムに切り替えて来たのだそうです。
更に2月は世界各地で大ブレーク中のカウンター・テナーのイェスティン・デイヴィス初来日。鵠沼で聴けるチャンスは二度と無かろうとのことで、必聴の回になることは間違いなさそう。私は残念ながら1月は京都の予定ですのでパスですが、2月は満を持して鵠沼に駆け付けます。

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