今年二度目のランパートと、今年が2回目のスターレット
先週はG戦が無かったため、2週間振りとなるアメリカ競馬レポート。と言っても今週(12月12日)のG戦はフロリダとカリフォルニアの夫々一鞍づつと2レースのみですから、ゆるりと報告して行きましょう。
先ずガルフストリーム・パーク競馬場で行われたのはランパート・ステークス Rampart S (GⅢ、3歳上牝、8ハロン)。このG戦、実は今年2月にもあって今年二度目の開催となります。2月は4歳上牝の条件でしたが、12月は3歳上の条件になるのは当然でしょう。fast の馬場に8頭が出走し、3頭出しで臨むマーチン・ウルフソン厩舎のカリ・スター Cali Star が9対5の1番人気。
レースは6番人気(13対1)のピンク・ポピー Pink Poppy が逃げ、1番枠スタートのカリ・スターはインコースを保持して余り離れず6番手に待機。第4コーナー手前から逃げ馬に並び掛けるように内を掬った本命馬、直線では3番手から外を回った寮馬で2番人気(5対2)のベスト・ビヘイヴィアー Best Behavior に3馬身差を付けて人気に応えました。3番人気(6対1)のスタッフド Stuffed が後方から追い込み、1馬身4分の3差で3着。
ワン・ツー・フィニッシュを達成したウルフソン師は、去年のこのレースをガメイ・ノワール Gamay Noir で制していますが、2月は別の馬(ハウス・ルールズ House Rules)が勝っていますから2連覇というワケではありません。鞍上はタイラー・ガフォリーネ騎手。今年4歳のカリ・スターは、これがG戦デビューでステークスも初勝利。前々走までウイリアム・モット厩舎に所属しており、モット師の元での最終戦は10月キーンランドのアローワンス戦8着でした。転厩初戦の先月、いきなりガルフストリーム・パーク・ウエスト競馬場でアローワンス戦を5馬身差で圧勝していましたから、これでウルフソン厩舎では2戦2勝となります。半妹のディライトフル・ジョイ Delightful Joy が一足先に今年のモンマス・オークス(GⅢ)を勝っていましたから、これで姉妹揃ってG戦勝馬となりました。
土曜日のもう一鞍は、ロス・アラミトス競馬場のスターレット・ステークス Starlet S (GⅠ、2歳牝、8.5ハロン)。一昨年までハリウッド競馬場で行われていた2歳牝馬のGⅠ戦で、ロス・アラミトスに移管されて2年目となります。fast の馬場に9頭が出走し、GⅡ戦に2勝しているプリティー・エヌ・クール Pretty N Cool を抑えて2対1の1番人気に支持されていたのは、ステークス初挑戦ながら追加登録料を支払って参戦してきたこれまで2戦2勝のパシフィック・ヒート Pacific Heat でした。
レースは大外枠発走からハナを主張した今回はジョイント2番人気(7対2)のプリティー・エヌ・クールが逃げ、パシフィック・ヒートは4番手追走。そのまま直線半ばまで粘っていましたが、前半は後方で待機していた4番人気(6対1)のストリート・ファンシー Street Fancy が内から馬群を縫って目覚ましい末脚を発揮、3番手を進んだジョイント2番人気のステイズ・イン・ヴェガス Stays in Vegas に1馬身差を付ける逆転劇。3馬身差で最低人気(30対1)のサットンズ・スマイル Sutton’s Smile が3着に食い込み、プリティー・エヌ・クールは頭差で4着、パシフィック・ヒートも8着惨敗に終わりました。
フィリップ・ダマト厩舎(3着馬も)、マイク・スミス騎乗のストリート・ファンシーは、10月18日にサンタ・アニタの新馬戦でデビュー勝ち。11月15日にはデル・マーの一般ステークス(デシ・アルナズ・ステークス)で3着しており、これで3戦2勝となります。4回も競りで取引された経歴がありますが、新馬勝ちからワン・ステップ置いていきなりのGⅠ戦制覇。3代母エンジェル・フィーヴァー Angel Fever が2000年のケンタッキー・ダービー馬フサイチ・ペガサス Fusaichi Pegasus の母とあっては、血統的にもクラシック制覇を期待しない訳にはいかないでしょう。
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