北ケンタッキーのダービーとオークス

さて昨日の土曜日に行われたアメリカ競馬、今度はフロリダ以外のG戦3鞍を纏めておきましょう。

先ずケンタッキー州北部にあるターフウェイ・パーク競馬場からは、この競馬場で行われるダービーとオークス。このコースで行われるG戦は年間を通じてこの日の2鞍だけです。
当日は雨が時折降る生憎の空模様でしたが、馬場はオール・ウェザーのタペタ・コースですから馬場状態はほとんど影響しません。2レースとも発走枠は12頭ですが、どちらも14頭の登録がありました。
先に行われたのがバーボネット・オークス Bourbonnete Oaks (GⅢ、3歳牝、8ハロン)。1頭が取り消して1頭が発走除外、それでも12頭のフル・ゲートで、マルキー・ミス Marquee Miss が3対1の1番人気ですが、マイナーな小回りコース故に出走馬の詳細な経歴は判りません。
結果は2番人気(4対1)のワンダーメント Wonderment の逃げ切り勝ち。4番人気(9対1)のインコンクルーシヴ Inconclusive が3馬身4分の3差で2着に追い込み、2番手に付けた人気のマルキー・ミスは3着。
ケネス・マクピーク厩舎、コーネリオ・ヴェラスケス騎乗のワンダーメントは、これで4戦3勝2着1回。2歳時にベルモントでニューヨーク産馬限定のステークス(リンブルック・ステークス、6ハロン)に勝ち、前走アケダクトの一般ステークス(フランクリン・スクエア・ステークス)で2着していました。今回は距離が伸びたここでも適応し、G戦は初勝利。

続いてはダービーに相当するスパイラル・ステークス Spiral S (GⅢ、3歳、9ハロン)。去年は8ハロンでしたが距離が1ハロン延長され、ケンタッキー・ダービーの50ポイント対象レースでもあります。2頭が除外となっての12頭立て、2歳時にケンタッキー・ジョッキー・クラブ・ステークス(GⅡ)に勝ったエアフォース Airforce が2対1で1番人気に支持されていたようですが、現地からの映像が不調で最終オッズは良く判りません。
そのエアフォース、好位を追走するも末脚不発で8着に敗退。優勝は、前半6番手を進んだオスカー・ノミネイテッド Oscar Nominated で、逃げたアザール Azar が首差で2着に粘っていました。3着も首差の大接戦で、後方2番手から追い込んだサージカル・ストライク Surgical Strike 。
マイケル・メイカー厩舎、ブライアン・ジョセフ・ヘルナンデス騎乗のオスカー・ノミネイテッドは、7戦3勝2着2回。昨年秋にラムゼー夫妻がクレーミング戦に勝ったのを入手した馬で、今年の三冠レースには登録が無いものの、50ポイントをゲットしたことでケンタッキー・ダービーに挑戦することが発表されました。前走フェア・グラウンズの一般ステークス(ブラック・ゴールド・ステークス、7.5ハロン)に勝っており、これまで芝とタペタしか経験がありません。ダービーは初のダート・コースとなりますが、あくまでも伏兵的な存在と思われます。

土曜日の最後はサンタ・アニタ競馬場のサン・シメオン・ステークス San Simeon S (芝GⅢ、4歳上、6.5ハロン)。去年は4月第3週に行われた芝の下り坂コースで行われる古馬の短距離戦です。9頭が出走し、G戦は初挑戦ながら2連勝中のガンズ・ローデッド Guns Loaded が3対5の断然1番人気。
8番人気(25対1)ミスター・セクシー Mr. Sexy の逃げを2番手でマークしたガンズ・ローデッド、評判通りのスピードを発揮して先頭に立つと、5番手から追い込む3番人気(9対2)ケープ・ウォルフ Cape Wolfe を1馬身4分の1差抑えて見事人気に応えました。半馬身差で3番手を進んだ5番人気(6対1)のノー・サイレント No Silent が3着。
フロリダ・ダービーの覇者ナイクィストと同じダグ・オネイル厩舎、ラファエル・ベハラノ騎乗のガンズ・ローデッドは、もちろんこれがG戦初勝利となる5歳せん馬。前々走のアローワンス戦、前走一般ステークス(ジョー・ヘルナンデス・ステークス)と3連勝で短距離界に新たなスター誕生を宣言した形です。

 

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