グラッドネスは小波乱

ヨーロッパ競馬も4月に入ってそろそろ動き出しました。昨日の日曜日にはアイルランドとフランスでG戦が行われましたが、先のことを考えて今年も国別に記事を改めることにします。

ということで先ずアイルランド、カラー競馬場のグラッドネス・ステークス Gladness S (GⅢ、3歳上、7ハロン)から。去年は4月第3週に施行されていましたが、今年は2週間ほど前倒しされての開催です。3歳上という条件ながら3歳馬の出走はありません。
この時期は重い馬場が当たり前で、この日も馬場は soft 。1頭取り消しがあって8頭が参戦してきましたが、去年と一昨年のこのレース勝馬も登場してきたのが面白い所。中でも一昨年の勝馬で去年は4着だったスルサン Sruthan が2対1の1番人気。既に今期も3月16日に行われた22頭立てのアイリッシュ・リンカーン・ハンデを制して仕上がり十分という見立てでしょう。一方、去年のグラッドネスで50対1の大穴を開けて勝ったフライト・リスク Flight Risk は12対1で7番人気。
オブライエン厩舎は3頭を出走させてきました。一昨年まで同厩舎の主戦を務めた息子のジョセフは体重コントロールが難しく、昨年一杯でジョッキーを引退、今後は調教師の道を歩むことが決まっています。従って今年もオブライエン厩舎の主戦はライアン・ムーアということで、彼が乗るディック・フィッティントン Dick Whittington が11対4の2番人気。

レースは6番人気(9対1)のジョアイリエール Joailliere の逃げで始まり、スルサンは5番手を追走。しかし勝負所で前を捉えたのは、その前4番手を追走していた5番人気(9対1)の伏兵ワンナイトアイドリームド Onenightidreamed の方で、同じく先行策から進出したフライト・リスクに半馬身差を付けての優勝。1馬身差で逃げたジョアイリエールが3着に粘り込み、スルサンは4着に終わっています。
オブライエン・トリオではヘファーナンが騎乗したザ・ハッピー・プリンス The Happy Prince の5着が最高で、ディック・フィッティントンは6着、オダナヒューのクーガー・マウンテン Cougar Mountain も7着と、未だこの厩舎は仕上がり途上という印象でした。

勝ったワンナイトアイドリームドはトミー・スタック厩舎、ウェイン・ローダン騎乗の5歳馬。前走アイリッシュ・リンカーンではスルサンの7着に敗れていただけにサプライズでした。しかし去年はそのアイリッシュ・リンカーンに勝ち、5月にはアメジスト・ステークス(GⅢ)でG戦も制したほどで、人気の盲点だったかも。
典型的な重巧者で、去年は馬場が重い春先だけの2戦2勝しかしておらず、夏秋は全休。恐らく今年も同じスタイルを踏襲し、アメジスト2連覇を目指した後は長い夏休みに入ってしまうのでしょう。ヨーロッパには色々なタイプの馬がいるものです。

ところでこの日はグラッドネスの後にアレッジド・ステークスというリステッド戦も行われました。去年のBCターフ覇者のファウンド Found がシーズン初戦を迎え、ムーア騎乗で断然1番人気と注目されましたが3着敗退。やはりオブライエン厩舎の仕上げ方はスローペースのようです。

 

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