今年最初の長距離G戦
ロンシャン改装中のフランス競馬、それに伴って今年は若干例年とは異なるシーンが見られます。昨日シャンティー競馬場で行われたバルべヴィユ賞 Prix Barbeville (GⅢ、4歳上、3000メートル)もその一つでしょう。
例年なら5月初旬、ガネー賞と同じ日にロンシャン競馬場の3100メートルで行われていた長距離G戦ですが、今年は時期が少し早まり、スタート地点の関係から距離も100メートル短縮されての開催でした。
good to soft の馬場に1頭が取り消して12頭立て。去年までは2400メートルを中心に走っていたアガ・カーンのカンダリーヤ Candarliya が29対10の1番人気。GⅡのロワイヤリュー賞の勝馬で、前年はアスコットのチャンピオン・フィリー・アンド・メア(GⅠ)11着凡走でシーズンを締め括っていました。これがシーズン初戦。
そのカンダリーヤ、これまで後方から差す競馬をして来ましたが、この日は好スタートからハナに立ちます。一旦逃げ馬のジョイント8番人気(16対1)キッキ―・ブルー Kicky Blue にハナを譲って2番手に控えましたが残り2ハロンから仕掛け、あと1ハロンで先頭。しかし前半は中団で待機していた2番人気(39対10)のフライ・ウィズ・ミー Fly With Me が追い上げ、ゴール前で本命馬を外から首差交わしての差し切り勝ちでした。1馬身4分の3差で10番人気(17対1)のトリップ・トゥ・ロードス Trip To Rhodos が3着。去年の勝馬で4番人気(15対2)だったアレックス・マイ・ボーイ Alex My Boy は後方のまま8着に終わり、カドラン賞(GⅠ)勝馬ミル・エ・ミル Mille et Mille も10着に敗退しています。
休養明け、初の3000メートル、レース・スタイルの変更という要素がありながらの2着、カンダリーヤは次走の狙い目といったところでしょうか。
勝ったフライ・ウィズ・ミーは、エリック・リボー師が管理、マクシム・グィヨン騎乗の6歳馬で、去年のこのレースでは2着でした。昨年9月にグラディアトゥール賞(GⅢ)に勝ちましたが、その後に使用禁止薬物が検出されて失格になっていました。ここで初めて紹介する事実。(この結果、2着だったワルツァータクト Walzertakt が繰り上がって事務的に1着。因みにワルツァータクトは今回は5着)
グラディアトゥールのあと仏セントレジャー(GⅠ)で13頭立て10着でシーズンを終えたフライ・ウィズ・ミーは、今年4月1日にメゾン=ラフィット競馬場で行われたライト・ロイヤル賞(リステッド戦)でシーズン・デビュー勝ち(このレース2連覇)しており、叩かれた強みもあって2連勝となります。
この勝利により、フライ・ウィズ・ミーのアスコット・ゴールド・カップへのオッズは40対1から一気に20対1へと急上昇しました。この馬が好走するのは重馬場が最低条件ですから、6月アスコットの馬場渋ることが必須になるでしょう。もちろん固い馬場なら出走することも無いと思われます。
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