今年の仏レジャーはサン=クルー
イギリスとアイルランドの平場G戦は先の土曜日に全スケジュールを終了しましたが、フランスは来月半ばまで、もう少し長く続きます。
ということで、10月25日の日曜日にはフランス・セントレジャーと呼ばれてきたロワイアル=オーク賞 Prix Royal-Oak (GⅠ、3歳上、3100メートル)が行われました。
ずっとロンシャン競馬場で行われてきたGⅠ戦ですが、今年はサン=クルー競馬場に移しての開催で、もちろんサン=クルーで行われるのは史上初。ロンシャン競馬場は来年のリニューアルを控えており、凱旋門賞を最後に閉鎖されているようです。
今年のロワイアル=オーク賞は soft の馬場に13頭立て。3歳馬は2頭、4歳馬と5歳馬は夫々4頭、あとは6・7・9歳馬が1頭づつと各世代が万遍なく登場してきたのが特徴と言えるかもしれません。
12対5の1番人気に支持されたのはG戦を連勝している3歳馬のヴァジラバド Vazirabad でしたが、一般的な話題を集めたのは9歳馬シリュス・デ・ゼーグル Cirrus Des Aigles でしょう。2000メートルを中心にする距離で活躍してきた同馬がマラソン・レースに挑戦するのは初めてですし、フランキー・デットーリとのコンビも初。今期は初戦こそ勝ったものの、その後の3戦は奮わず、人気は78対10の5番人気に留まっていました。
レースは前走カドラン賞(GⅠ)の勝馬で6番人気(9対1)のミル・エ・ミル Mille Et Mille が逃げましたが、直線に入ると各馬が大きく広がります。ミル・エ・ミルも良く粘りましたが、前半は後方2番手に待機して瞬発力に賭けた本命ヴァジラバドが突き抜け、これも後方から追い込んだ4番人気(36対5)で凱旋門賞8着のシルジャンズ・サガ Siljan’s Saga に1馬身差を付けて優勝。更に5馬身差でミル・エ・ミルが3着に粘り、3番手のインコースを追走したシリュス・デ・ゼーグルは最後の伸びを欠いて1馬身差の4着に終わりました。
デットーリのコメントでは、馬は良く走ったものの、やはり距離が長過ぎたのが敗因。長距離挑戦はこれが最初で最後となるでしょう。適性の無いGⅠでも4着した同馬、今後も香港・ドバイと海外遠征が続く可能性も残されています。
勝ったヴァジラバドは5連勝。リュテース賞(GⅢ)、ショドネー賞(GⅡ)と3000メートルのG戦も3連勝で、来年のアスコット・ゴールド・カップに7対1から12対1の範囲でオッズが提示されました。アガ・カーンの所有馬で、もちろんアラン・ド・ロワイヤー=デュプレ師の管理する3歳せん馬。騎乗したクリストフ・スミオンは、意外にもロワイアル=オーク賞初制覇となります。デュプレ師は1998年のティラーズ Tiraaz 以来2勝目。
当初はクラシック・レースだった仏セントレジャーが古馬とせん馬にも開放されたのは1979年。新条件では今年が37回目ですが、3歳馬が勝ったのは2012年のレ・ボーフ Les Beaufs 以来で、15頭目を数えます。また、せん馬の優勝は4年連続で、最近6年間では5勝目。5年前は牝馬が制していますから、牡馬は7年間勝っていないことになりますね。
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