歴史の古い仏ダービー・トライアル
5月10日は平日の火曜日ですが、フランスのシャンティ競馬場でG戦が一鞍行われました。創設は19世紀と言う伝統ある仏ダービー・トライアル戦の一つであるギッシュ賞 Prix de Guiche (GⅢ、3歳牡、1800メートル)。
この日は一日8レースですが、第1レースがいきなりのG戦という変わったプログラム。芝コースは他に第4レースのリステッド戦だけで、あとは全てポリトラック・コースという構成でした。
そのポリトラック戦6鞍の中で一鞍は女性騎手だけのレースで、13頭が登録していましたから(最終的には1頭取り消し)、女性の活躍という意味ではフランスはやはり進んでいるな、という印象です。英国でも女性騎手のレース、アマチュア騎手のレースも盛んですから、馬文化の浸透という点で日本は未だ未だなのでしょう。
話題が外れましたがギッシュ賞。馬場は good to soft で、出走馬は僅かに4頭。日本ならレースそのものが成立しませんが、それは馬券が主体だから。競馬は本来優れた血統を探し、維持するのが目的ですから、ギャンブルが先行しちゃいけません。
4頭の中でG戦の経験があるのは唯1頭で、そのアルマンザー Almanzor がイーヴンの1番人気。
そのアルマンザー、スローペースに引っ掛かっては問題と見てスタートから先頭に立っての競馬。結局スタート直後の順位が最後まで続く流れで、アルマンザーが2番手を進んだ2番人気(17対10)のフラッドライト Floodlight に2馬身差を付ける逃げ切り勝ちです。頭差で3番人気(22対5)のガードル・シティー Gardol City が3着、ハナ差で4番人気(58対10)のアンクル Ankle 4着と、2着争いは接戦でした。
ジャン=クロード・ルジェ厩舎、クリストフ・スミオン騎乗のアルマンザーは、2歳時にボルドーでデビュー勝ち。続くクレールフォーンテーヌ、再びボルドーでリステッド戦(グラン・クリテリウム・ド・ボルドー、1600メートル)と3連勝し、中央場所のサン=クルーでクリテリウム・インターナショナル(GⅠ)に挑戦して8頭立て7着でシーズンを終えていました。
今期は前走フォンテンブロー賞(GⅢ)からスタートして3着、今週末の仏2000ギニーは回避してここに照準を定めてきました。目標はもちろん仏ダービーで、アガ・カーンの牝系ですが、別のオーナーが競りで手に入れた血統です。
ところで第4レースとして行われた3歳牝馬のためのリステッド戦(ラ・セーヌ賞、2200メートル)も注目で、1番人気に支持されたザ・ジュリエット・ローズ The Juliet Rose が快勝してクラシックのチャンスが生まれてきました。
4月18日に行われたペネロープ賞(GⅢ)で2着した馬で、エプサム・オークスにも登録があります。遠征するかは今後の検討次第ですが、父がモンスン Monsun ということでスタミナには問題なさそう。40対1のオッズも提示されています。
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