オークスは2強対決?

昨日からヨーク競馬場のダンテ開催が始まっています。金曜日までの3日間にG戦は5鞍、何と言っても見どころはオークス・ダービーに向けてのトライアル最終便でしょう。初日の昨日はオークス・トライアルを含めてG戦は2鞍。

馬場は good 、所により good to firm という状態で、やっと firm という表記が出てきました。先ずデューク・オブ・ヨーク・ステークス Duke of York S (GⅡ、3歳上、6ハロン)は12頭立て。前走ニューマーケットのアバーナント・ステークス(GⅢ)でG戦を初制覇したマジカル・メモリー Magical Memory が5対2の1番人気。前走は大混戦のゴール前でしたが、未だ仕上がり途上だったという陣営のコメントもあり、今回はそれ以上のパフォーマンスが期待できそう。
ジョイント10番人気(33対1)の伏兵ゴーケン Goken が飛ばし、これを追ったジョイント5番人気(12対1)のスードア Suedois が交わして先頭。この直後を進んでいたマジカル・メモリーが残り1ハロンでスパートし、スードアを半馬身捉えて見事期待に応えました。1馬身差でやはり前で競馬していた3番人気(11対2)のダンゼーノ Danzeno が3着。ベットフレッド・スプリント・カップの勝馬で2番人気(4対1)のトゥワイライト・サン Twilight Son は、GⅠ勝ちのペナルティーと6か月の休養明けと言う不利がありながらも5着は大健闘でしょう。

チャーリー・ヒルズ厩舎、フランキー・デットーリ騎乗のマジカル・メモリーは、これで短距離G戦2連勝。アバーナント・ステークスのレポートでも紹介したように、トゥワイライト・サンとはこれからもライヴァルとして闘っていく4歳せん馬で、このレースは予定通りでした。
次走は恐らくロイヤル・アスコットのダイヤモンド・ジュビリー(GⅠ)で、ライヴァルとの再対決が見られそう。レース後に提示されたオッズ、6対1は現時点の1番人気で、トゥワイライト・サンには7対1のオッズが出されました。

続いてはミュジドラ・ステークス Musidora S (GⅢ、3歳牝、1マイル2ハロン88ヤード)。ご存知オークスへの最後の、そして最も重要なトライアルで、7頭が出走、2戦2勝の新星ソ・ミ・ダー So Mi Dar が4対5の1番人気に支持されていました。管理するジョン・ゴスデン師がこのレース、最近5年で3勝していることも人気の要因です。
オブライエン/ムーアのコンビながら4番人気(17対2)のベスト・イン・ザ・ワールド Best in The World が逃げ、スタートで出遅れ気味のソ・ミ・ダーは後方からジックリと脚を矯める作戦。しかしエンジンが掛かるとソ・ミ・ダーの瞬発力はここでは断然、3頭の2着争いを尻目に4馬身の大差を付けて圧勝してしまいました。2番手を追走していた1000ギニー4着で2番人気(3対1)のファイアグロウ Fireglow が2着、頭差でロックフェル・ステークス(GⅡ)勝馬の5番人気(20対1)プロマイジング・ラン Promising Run が3着、更に頭差で3番人気(7対1)のハーレクィーン Harlequeen が4着でした。

デューク・オブ・ヨークに続いてフランキー・デットーリのG戦ダブルとなったソ・ミ・ダーは、名前から想像できるように、母はあのダー・レ・ミ Dar Re Mi 。キャッツなど大ヒットしたミュージカルの作曲者アンドリュー・ロイド=ウェッバー卿の持ち馬で、もちろん2番仔になるソ・ミ・ダーも卿の自家生産馬となります。
母はこのブログでも何度も取り上げたように、シーマ・クラシック、ヨークシャー・オークス、プリティー・ポリー・ステークスなど中長距離のGⅠを複数勝った名ステイヤーで、ヴェルメイユ賞は1着入線ながら進路妨害で5着に降着となったのも昨日のことのよう。ウェッバー卿はあの裁決、今でも不当だと主張しています。因みにダー・レ・ミもミュジドラ・ステークスに出走しており3着、結局クラシックには乗れず、3歳の秋から本格化したのでした。
その娘ソ・ミ・ダーは2歳時にウインザーの1マイル戦でデビュー勝ち。2歳はこの一戦のみで、前走はエプサム競馬場のダービー・トライアルという10ハロン条件戦に優勝。このレースは名前の通り勝馬にはダービーに無料で登録できるという権利が与えられており、同馬も牝馬ながらダービーに出走できる資格を得ていました。

これで無傷の3連勝となったソ・ミ・ダー、父はデュバウィ Dubawi ですがスタミナは証明済み。オークスのオッズはレース前の11対2から5対2へと急上昇し、本命マインディング Minding との一騎打ちの様相を呈してきました。今年のエプサム・クラシックはダービーは混戦、オークスは2強対決とレッテルを貼っても良さそう。
恐らく2頭ともダービー挑戦の可能性は少ないと思われるので、今年のオークスは近年に無い見物になること間違いなさそう。

 

 

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