雨中の激戦
6月25日、イギリスのEU離脱が決まった翌日に行われた英国のG戦2鞍です。
先ずニューキャッスル競馬場で行われたチップチェース・ステークス Chipchase S (GⅢ、3歳上、6ハロン)は、今年はポリトラック・コースで行われました。来年以降もこのコースかは不明ですが、この時期にポリトラックのG戦は珍しいでしょう。当初から決まっていたことで、雨による変更ではありません。
馬場は standard 、1頭が取り消して10頭立て。3歳馬が2頭参戦してきましたが、2000ギニーで9着、前走スプリントに転じてサンディー・レーン・ステークス(GⅢ)で4着したブラティーノ Buratino が11対4の1番人気。
5番人気(9対1)の6歳馬ウォッチャブル Watchable が逃げましたが、何れも9対2(ジョイント2番人気)で先行した2頭が抜け出し、4歳馬のマーカズ Markaz が5歳馬プリテンド Pretend に1馬身差を付けて優勝。1馬身4分の1差で逃げたウォッチャブルが3着に粘りました。ブラティーノは中団を進むも伸びず7着。コースが合わないのかもしれません。
勝ったマーカズはオーウェン・バロウズ厩舎、ポール・マルレナン騎乗。前走ヘイドックのリステッド戦は3着でしたが、去年のこの日、このあと紹介するニューマーケットのクライテリオン・ステークスに勝った馬で、これがG戦2勝目となります。
続いて、前年マーカズが制したニューマーケット競馬場のクライテリオン・ステークス Criterion S (GⅢ、3歳上、7ハロン)。今年は激しい雨と雷が轟く中、heavy の馬場で行われました。どうも今夏のイギリスは天候不順のようです。
2頭が取り消して8頭立てとなり、最近は勝鞍に恵まれないもののG戦で堅実に走っているブレトン・ロック Breton Rock が11対4の1番人気。
豪雨のためカメラマンも定位置から避難、視界が全く利かない中、3番人気(4対1)のソー・ビラヴド So Beloved が逃げた模様。ゴールが近付いて見えてきたのは抜け出した2頭、本命ブレトン・ロックと5番人気(17対2)アダーイ Adaay の叩き合いとなり、写真判定の結果、ブレトン・ロックがアダーイを頭差抑えていました。2番手を進んでいた4番人気(7対1)のヒア・カムズ・ウェン Here Comes When が2馬身4分の1差で3着。
デヴィッド・シムコック厩舎、マーチン・ヘイリー騎乗のブレトン・ロックは、一昨年のハンガーフォード・ステークス(GⅡ)以来となる勝鞍で、通算で8勝、G戦は2勝目となる6歳せん馬。去年は未勝利だったもののロッキンジ・ステークス(GⅠ)に挑戦して7着、シーズン終戦のチャレンジ・ステークス(GⅡ)では2着に入り、漸く溜まっていたフラストレーションを解消したことになります。
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