2016ジュライ・ミーティング2日目

前日に続きニューマーケット・ジュライ・ミーティング二日目のレポートです。この日のG戦は2鞍、馬場は good to firm と、朝方雨が降ったものの高速馬場が続きました。

ニューマーケット競馬場、先ずはダッチェス・オブ・ケンブリッジ・ステークス Duchess of Cambridge S (GⅡ、2歳牝、6ハロン)。以前はチェリー・ヒントン・ステークスとして知られていた一戦で、古くからの競馬ファンはその名前の方が親しみがあるでしょう。10頭が出走し、ロイヤル・アスコットのアルバニー・ステークス(GⅢ)で2着したブレッチリー Bletchley が9対4の1番人気。
4番人気(6対1)のキルマー Kilmah が逃げ、ブレッチリーは好位追走。2番手を進んだ3番人気(6対1)のロリー・ポリー Roly Poly が2ハロン地点で逃げ馬の内から並び掛けると、残り1ハロンで先頭に立ち、スタンドから遠い側を先行していた最低人気(33対1)のマジカル・ファイアー Magical Fire に半馬身差を付けて優勝。頭差でこれもスタンドから遠い側の3番手に付けていた7番人気(16対1)のネイションズ・アレキサンダー Nations Alexander が3着に入り、ブレッチリーは好位追走も伸びず、6着敗退に終わりました。

ロリー・ポリーは6月26日にカラーでグランジソン・スタッド・ステークス(GⅢ)に勝ったばかり。エイダン・オブライエン厩舎、ライアン・ムーアのコンビで、オブライエン師はこのレース、2007年のユーアーソースリリング You’resothrilling 以来の勝利となります。
オブライエン師はこの日不在でしたが、陣営は現時点では6ハロンがベストと考えているようで、次走は8月のヨーク競馬場で行われるラウザー・ステークスになる予定です。

二日目のもう一鞍が、クラシック世代と古馬が対決する1マイルの牝馬GⅠ戦、フォルマス・ステークス Falmouth S (GⅠ、3歳上牝、1マイル)。1頭の取り消しがあって7頭が出走し、5頭の古馬に2頭の3歳馬が挑む構図です。去年4歳馬として勝ったアメージング・マリア Amazing Maria も連覇を目指して参戦してきましたが、今回は7対1の3番人気。11対10の1番人気に支持されたのは、前走ロイヤル・アスコットでデューク・オブ・ケンブリッジ・ステークス(GⅡ)を快勝したファーブル師がフランスから送り込むアシェレット Usherette 。今期は4戦無敗の4歳馬で、ここでGⅠ戦初制覇を目指します。
アシェレットと同じゴドルフィンのヴェリー・スペシャル Very Special (厩舎はサイード・ビン・スロール)がペースメーカーとして逃げ、アシェレットは後方待機。しかしアシェレットのこれまでの瞬発力は不発、替って3番手を進んだ2番人気(5対2)のアリス・スプリングス Alice Springs が残り1ハロンで抜け出すと、逃げ粘るヴェリー・スペシャルに2馬身4分の1差を付ける圧勝でした。同じく先行していた4番人気(8対1)のオールウェイズ・スマイル Always Smile がハナ差で3着に入り、アシェレットは6着と期待を裏切っています。アメージング・マリアも7着敗退。

勝ったアリス・スプリングスは前日の段階では6対1ほどのオッズでしたが、当日になって急速に評価が上がったもの。エイダン・オブライエン厩舎、ライアン・ムーア騎乗で、明らかに固い馬場が結果に繋がったと言えるでしょう。勝時計の1分34秒2はコースレコードでしたが、英国ではタイムは余り重要視されません。むしろ高速馬場で速い時計が出ることは好ましくない、という見方の方が優勢のようです。
既に当競馬日誌には何度も登場してきたアリス・スプリングスは、今年の1000ギニーの3着馬。仏1000ギニーは7着でしたが、前走コロネーション・ステークスでは考えられる全ての不利を被りながらの3着。意外にもこれがG戦初勝利でのGⅠ奪取となりました。オブライエン/ムーアはこの日のG戦ダブル達成。

ところで、昨日はヨーク競馬場でもサマー・ステークス Summer S (GⅢ、3歳上牝、6ハロン)が行われています。こちらも馬場は good 、所により good to firm 。
1頭の取り消しがあって7頭立て。前走、今期初戦のハンデ戦(ヨーク競馬場)に勝ってヨークでは2戦2勝のメイフェア・レディー Mayfair Lady が5対2の1番人気。

6番人気(9対1)のリッジ・レンジャー Ridge Ranger が逃げ、そのまま5番手から追い込む2番人気(11対4)の3歳馬べシャーラー Besharah に1馬身4分の3差を付ける逃げ切り勝ち。更に1馬身4分の1差で後方から追い込んだ3番人気(10対3)のラ・リオハ La Rioja (これも3歳馬)が3着に入り、人気のメイフェア・レディーは6着敗退に終わりました。
勝馬を管理するエリック・アルストン師は、2009年にリヴェレンス Reverence でフライング・ファイヴ(GⅢ)に勝って以来のG戦勝利で、騎乗したジェイソン・ハートにとってはG戦初勝利。
それは勝ったリッジ・レンジャーも同じで、今年5歳ながらG戦出走実績は去年のワールド・トロフィー(GⅢ、2着)に続く2度目の体験での初勝利。今年のキングズ・スタンド・ステークス(GⅠ)を制したプロフィタブル Profitable の半兄に当たる血統で、次走はG戦ではなく、得意の6ハロンで行われるスチュワーズ・カップ(ハンデ戦)になることが決まっています。

 

 

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