バイロン、ミンストレルを変則2連覇

前日の愛オークスの流れを受け、アイルランドのカラー競馬場では日曜日もG戦が2鞍行われました。馬場状態は good to yielding 。

先ずミンストレル・ステークス Minstrel S (GⅡ、3歳上、7ハロン)は去年までGⅢ戦でしたが、今年からランクが一つ上がってGⅡ戦に昇格しています。9頭が出走し、7対2の1番人気に2頭が並びました。
1頭は前走バリーコーラス・ステークス(GⅢ)に勝ち、2歳時にはGⅠも制したことのあるオブライエン厩舎のディック・フィッティントン Dick Whittington 。そしてもう1頭がここ3戦続けて2着している堅実なソヴリン・デット Sovereign Debt です。

6番人気(8対1)のトスカニーニ Toscanini が逃げて良く粘りましたが、2番手を追走した7番人気(16対1)の伏兵ゴードン・ロード・バイロン Gordon Lord Byron と6番手から追い込むソヴリン・デットが抜けての叩き合い。最後はゴードン・ロード・バイロンがソヴリン・デットに半馬身差を付けて競り勝ち、1馬身4分の1差でトスカニーニが3着に粘っていました。人気の一角ディック・フィッティントンはスロー・スタートから後方7番手を追走し、そのまま7着でレースを終えています。ソヴリン・デットはこれで4戦連続の2着。
トム・ホーガン厩舎、ウイリアム・リー騎乗のゴードン・ロード・バイロンは、当競馬日記に何度も登場している8歳の古豪せん馬。去年のこのレースは2着でしたが、1着で入線したホーム・オブ・ザ・ブレイヴ Home Of The Brave がその後の薬物検査で失格となり、技術的に1着に繰り上がっていました。変則的な2連覇達成と言うことになります。
2012年にはフォレ賞、2013年にもヘイドック・スプリント・カップと短距離GⅠ戦を勝ってきた歴戦の強者で、2014年に勝ったブリティッシュ・チャンピオンズ・スプリントは当時GⅡ戦でしたが、現在はGⅠに格上げされています。このあともう一叩きされ、ヘイドックのスプリント・カップで再度GⅠ獲りに挑む予定とのことでした。

続いてキルボイ・エステート・ステークス Kilboy Estate S (GⅡ、3歳上牝、1マイル1ハロン)。2頭が取り消して12頭立て。愛1000ギニー7着、コロネーション・ステークス8着のタナザ Tanaza が何故か7対2の1番人気。厩舎情報でも流れたのでしょうか、アガ・カーンが所有するウェルド厩舎の3歳馬です。
スタート・ダッシュが良かったのは最低人気(50対1)のダッチェス・アンドラ Duchess Andorra でしたが、1ハロン地点からはこれを交わして前走独1000ギニーを制した3番人気(11対2)ホークスムーア Hawksmoor (英パーマー厩舎、デットーリ騎乗)の逃げ。しかし中団6番手で待機した2番人気(4対1)のボッカ・バチアータ Bocca Baciata が抜け出すと、3番手を追走していた8番人気(12対1)のイアリング Earring に半馬身差を付けて優勝。短頭差でホークスムーアが3着に粘りました。人気のタナザは中団7番手を追走していましたが、11着惨敗に終わっています。

ジェシカ・ハリントン夫人が管理し、コーム・オダナヒューが騎乗したボッカ・バチアータは、去年8月にダンス・デザイン・ステークス(GⅢ)に勝って以来のG戦勝利で、GⅡクラスは初勝利となります。去年3歳時には愛1000ギニーで5着しており、前走プリティー・ポリー・ステークス(GⅠ)ではマインディング Minding の2着、前々走トトソルズ・ゴールド・カップ(GⅠ)でも4着とGⅠ戦でそこそこの成績を残しており、ここは順当な勝利だったと言えそうです。

 

 

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