ナタゴラは1000ギニーに勝てるか?

やはりこれ、書いておかなきゃいかんでしょうね。昨日の日記で紹介した、メゾン=ラフィット競馬場のアンプルーダンス賞 Prix Imprudence の結果。
フランス・イギリス両国の競馬ファンから注目されていた存在、ナタゴラがこれ以上無いくらい理想的な形で勝ったようです。
彼女にとって初体験の1400メートル(7ハロン)、しかも重馬場で。騎乗したクリストフ・スミオンの談話では、まだまだ余裕があり、いろいろな意味で楽勝だった由。2着のモダン・ルック Modern Look に2馬身半の差を付けています。
ナタゴラについては去年の日記、7月23日と10月6日に書いていますから、詳しいことは繰り返しません。
この勝利で、1000ギニーはムサバラ Muthabara と並んで5対1の1番人気というオッズが出ました。一騎討ちムード。
調教師のパスカル・ベイリーさんは、もちろんフランスではトップクラスの調教師ですが、イギリスの競馬にはあまり積極的ではありません。アメリカのブリーダーズカップには何度も有力馬を送り込み、実績も挙げていますがね。
実際、去年のチーヴリーパーク・ステークスをナタゴラで制したのが英国初勝利。1000ギニーにナタゴラを出走させるのは間違いないところでしょうが、勝てば英国2勝目ということになります。ま、この辺は不安材料か。
昨日のアンプルーダンス賞、歴史的に1000ギニーへの絶好のトライアルで、全部の記録を調べたわけではありませんが、1987年のミエスク Miesque 、1988年のラヴィネラ Ravinella 、1992年のハトゥーフ Hatoof が両レースを制しています。
ナタゴラがアンプルーダンス=1000ギニーのダブルを達成して上記名牝の仲間入りを果たすか。
その死角、やはり距離でしょうか。血統を見る限りその心配はないように思いますが、芦毛=スプリンターという先入観念がどうしても付き纏います。
ナタゴラの牝系はスタミナには問題が無く、やはり父・ディヴァイン・ライトに対する評価でしょう。
ディヴァイン・ライトは、7月23日にも書いた通り、日本産馬ですね。サンデー・サイレンス産駒。その実績に高松宮記念2着というのがあり、1200メートル向きの馬と見なされているような気がします。確かにディヴァイン・ライト、同じ1200の阪急杯も2着でしたね。
(イギリスでは、高松宮杯で日本の産んだ名スプリンター、アグネスワールドに先着した実績が大きく評価されすぎているのかも)
しかし忘れてならないのは、1マイルのマイラーズ・カップと東京新聞杯も2着、更に2000メートルの毎日杯でも2着に入っていること。
重賞の勝鞍が無いのは気になりますが、少なくとも距離不安は無いのではないでしょうか。
余談ですが、ディヴァイン・ライトはフランスで供用された後、今年から何とトルコで種牡馬になっているそうですね。ナタゴラ次第では買戻し交渉があるかも。
さて、ベイリー調教師によれば、ナタゴラは気性が悪いわけでもなく、引っ掛るタイプでもないようですから、この点でも距離克服の可能性は大きいと思います。
以上、ナタゴラの1000ギニーでの可能性を検証してみました。あくまでも相手関係ですね。いくら距離不安を克服しても、より強い馬が出走していればそれまで。ただ距離に問題が出てしまえば、簡単に勝てないのがクラシックレース、というのも事実。
あ、序でになりますが、牡馬のジェベル賞。こちらはクラシックには繋がりそうもありません。第一、2000ギニーに登録がある馬は1頭も出ていませんでした。
従ってイギリスの報道も、サリュー・ラフリケン Salut L’Africain という馬が勝ったという事実だけに終わっています。

 

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