クレイヴァン・ステークス
ニューマーケットのクレイヴァン・ミーティング報告、第2弾。
この日の目玉は、もちろんクレイヴァン・ステークス。2000ギニーと同じ1マイル、ロウリー・マイル・コースで行われるトライアル戦です。GⅢ。
注目されたのは本番でも有力視されているレイヴンズ・パス Raven’s Pass 。去年はソラリオ・ステークスに勝ち、大一番デューハーストではニュー・アプローチの3着に惜敗した馬です。当然これが本命。
しかし結果は、勝馬とは短頭差の2着、最後の勝負で内にヨレての敗退。厩舎筋ではまだ調整途上であったため道中引っ掛る場面があって、最後ではバテてしまった、とのこと。
これを良く解釈して2000ギニーのオッズを下げたブックメーカーもあれば、逆に失望と捉え、オッズを上げた(評価を下げた)ブックメーカーもあり。さて本番はどうなるでしょうか。
肝心の勝馬は、ヘンリー・セシル厩舎のトゥワイス・オーヴァー Twice Over 。騎乗したのは主戦騎手のテッド・ダーカン。カーリッド・アブダッラー王子の持ち馬です。
これで3戦3勝、一躍2000ギニーの有力候補に、と言いたいところですが、セシル師の発言は微妙。もちろん最終決定ではありませんが、ギニーはパスするかも知れない由。父オブザーヴァトリー Observatory はマイラーなんですが、むしろダービー向きと考えているのかもしれません。
トゥワイス・オーヴァーの血統については面白い逸話があるんですが、またそれはいずれの機会に・・・。
その他の有力馬では、ロイヤル・ロッジ勝馬シティー・リーダーが6着、フランスのグラン・クリテリウム2着馬デクラレーション・オブ・ウォーが7着、イタリア・グラン・クリテリウムの覇者シンティロは9着。小波乱の結果でしたね。
さてセシル厩舎=アブッダッラー王子のコンビは、見事にダブルを達成しています。この日のもう一つのパターンレース、アール・オブ・セフトン・ステークス(4歳上、1マイル1ハロン、GⅢ)をフェニックス・タワー Phoenix Tower で制したのです。ただしこのレース、セシル厩舎は2頭出し。主力だったマルチディメンジョナルは4着敗退。主戦ダーカン騎手はこちらに乗っていました。従って勝馬にはトム・クィーリーが騎乗。
2着はトラフィック・ガード、3着はケンブリッジシャー・ハンデの勝馬パイプドリーマーでした。
今年4歳のフェニックス・タワーはほぼ1年振りの競馬。軽い骨折で戦列を離れていましたが、ここで復活。これで4戦無敗の実績、今年の活躍が楽しみですね。父はチェスター・ハウス Chester Hose 。
二日目にもう一つ注目されたのがアバーナント・ステークス。リステッド・レースですが、3歳上の6ハロン。今年のスプリンター戦線の幕開けでしょう。かつての名スプリンター、アバーナント Abernant に因んだ命名です。
スプリント戦は多頭数レースになり勝ちですが、この日も20頭立て。大混戦を抜け出したのは4頭、最後は短頭-ハナ-首の大接戦。結局勝ったのはジダン Zidane でした。確かサッカーの選手にこういう名前がありましたよ、ね。
2着はアサーティヴ、3着ダーク・ミサイル、4着がソニー・レッドでした。
ジダンにとって、これがリステッド初勝利。ジェームズ・ファンショウが調教、騎手はジェームズ・スペンサーでした。
勝ったジダン、去年のグッドウッドでスチュワーズ・カップに勝ったハンデキャッパー(主にハンデ戦で活躍する馬)ですが、これでハンデクラスを脱出、今年はビッグ・スプリント路線を歩むでしょう。
スプリンター=スピード馬=早熟、というイメージを抱き勝ちですが、実際には晩生のスプリンターという馬も少なからず存在します。ジダンは今年6歳、正に晩生のスプリンターでしょう。
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