2016グローリアス・グッドウッド3日目
7月28日、グローリアス・グッドウッドの3日目は雨に煙るという生憎の天候だったようですが、馬場は good to firm を維持していました。この日のG戦は3鞍です。
最初のリッチモンド・ステークス Richmond S (GⅡ、2歳牡せん、6ハロン)には5頭が登録していましたが、雨が降っているという理由で1頭が取り消し4頭立て。デビューから2連勝、しかも前走ドンカスターの一般戦を汗一つかかず11馬身で圧勝したというゴドルフィンの評判馬ブルー・ポイント Blue Point がG戦で好走している馬たちを抑え、5対6の断然1番人気に推されていました。
そのブルー・ポイントがスピードでは負けじとばかり逃げ切る戦法に出ましたが、3番手を追走していた3番人気(7対2)のメーマス Mehmas が徐々に差を詰め、最後は大本命を首差捉えての逆転劇です。3馬身差が付いて2番手を追走していた2番人気(5対2)のインテリジェンス・クロス Intelligence Cross が3着。
勝ったメーマスはリチャード・ハノン厩舎、ランフランコ(フランキー)・デットーリ騎乗。前走ニューマーケットでジュライ・ステークス(GⅡ)ではインテリジェンス・クロスを破って優勝しており、G戦初挑戦の馬にも抜かれて3番人気だったのは不本意だったでしょう。尤もGⅡ勝ちのペナルティー、3ポンドのハンデを背負っていたことも事実ですが、ここは貫録勝ち。
オーナーはグローリアス・グッドウッド全体のスポンサーでもあるカタール・レーシングのシェイク・ジョハーン氏で、この勝利が極めて意義あるということをデットーリも強調していました。次は当然ながらGⅠ戦を獲るべき馬で、フランスのモルニー賞かアイルランドのナショナル・ステークスが標的になるでしょう。
続いては伝統あるグッドウッド・カップ Goodwood Cup (GⅡ、3歳上、2マイル)。何しろ創設がロシアでナポレオンが敗退したという1812年のこと。かつてはアスコット・ゴールド・カップ、ドンカスター・カップと共に長距離3冠レースを形成していたほどで、今年も1頭が取り消しても14頭立てと言う多頭数で争われました。去年の勝馬ビッグ・オレンジ Big Orange が11対4の1番人気。
ここも本命馬が逃げる積極策でしたが、去年以上にパワーアップしたビッグ・オレンジ、先行グループから抜け出した5番人気(9対1)のパラセイター Pallasator に詰め寄られる場面もありましたが、これを再び突き放すと、1馬身4分の1差を付けて見事2連覇達成です。同じく先行策から伸びた6番人気(11対1)のシェイクザイードロード Sheikhzayedroad が3着。
マイケル・ベルズ厩舎、去年と同じジェイミー・スペンサーが騎乗したビッグ・オレンジは、去年ニューマーケットのプリンセス・オブ・ウェールズ・ステークス(GⅡ)とグッドウッド・カップを連勝しましたが、今年も全く同じパターンで二つのG戦を何れも2連覇。去年はメルボルン・カップに遠征して5着でしたが、今年もオーストラリアに遠征する可能性が高そう。今度こそ豪州でGⅠ制覇が夢でしょうか。明らかに去年より強くなっているのが心強い所です。
3日目最後のG戦はリリー・ラングトリー・ステークス Lillie Langtry S (GⅢ、3歳上牝、1マイル6ハロン)。正式にはマーケル・インシュランス・フィリーズ・ステークスと呼ばれているようですが、伝統的なレース名でレポートしておきます。7頭立てで前走ヨークの同じ距離で行われたリステッド戦を2馬身差で勝っているパモナ Pamona が5対2の1番人気。
5番人気(5対1)のミス・スプリングス Miss Springs が逃げましたが、2番手を追走した4番人気(9対2)のカリフォルニア California がこれを捉えて残り1ハロンで先頭に立つと、後方から追い込む6番人気(25対1)のティオガ・パス Tioga Pass に1馬身差を付けるという波乱になりました。更に1馬身4分の1差で、これも後方から追い込んだ3番人気(4対1)のトゥッチ Twitch が3着に入り、人気のパモナは先行するも残り1ハロンで後退し5着敗退。
勝ったカリフォルニアはジョン・ゴスデン厩舎の4歳馬で、2頭出しのゴスデン厩舎ではデットーリがミス・スプリングスを選んでいたほど。こちらにはロバート・ハヴリンが騎乗していました。
前走アスコットのハンデ戦(12ハロン)を勝ったばかりで、G戦そのものが初挑戦。2800メートルという距離で才能が開花したのかも知れません。
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