2015グローリアス・グッドウッド3日目

今年のグローリアス・グッドウッドも早や中日、3日目を迎えました。この日も馬場は good 、G戦も3鞍です。

最初のリッチモンド・ステークス Richmond S (GⅡ、2歳牡せん、6ハロン)は1頭が取り消して8頭立て、前走ニューマーケットのジュライ・ステークス(GⅡ)を制したシャラー Shalaa が3ポンドのペナルティーを背負いながらも11対8の1番人気。
そのシャラー、スタートから先手を取ると、そのまま3番手を追走していた2頭、4番人気(7対1)のタスリート Tasleet に2馬身4分の3、2番人気のステディー・ペース Steady pace (ジュライ・ステークスは1馬身差の2着)には更に1馬身4分の1差を付けての鮮やかな逃げ切り勝ちでした。

ジュライ・ステークスの報告でも詳しく紹介したように、シャラーは今年のグッドウッドのスポンサーを務めるアル・シャカブ・レーシングの持ち馬で、ジョン・ゴスデン師の管理馬。ニューマーケットではオーナーの関係から別の騎手が乗っていましたが、今回は本来のフランキー・デットーリに戻ってのG戦2連勝です。
この後はドーヴィルに遠征してモルニー賞、秋はミドル・パーク・ステークスが目標で、陣営は7ハロン以上に出走させる気は無いと明言しています。来年はもちろんコモンウェルス・カップが目標ですが、それでも2000ギニーには14対1のオッズが出されています。

続いては歴史と伝統あるグッドウッド・カップ Goodwood Cup (GⅡ、3歳上、2マイル)。19世紀には花形だった長距離戦ですが、現在ではGⅡ。こちらも1頭の取り消しがあって11頭立て。前走ロイヤル・アスコットのゴールド・カップ(GⅠ)を制したトリップ・トゥー・パリ Trip To Paris も参戦してきましたが、GⅠ勝ちのペナルティー4ポンドが嫌われて5対1の2番人気。替って前走ニューカッスルの伝統ハンデ戦ノーザンバーランド・プレート(16ハロン)に勝ってきたクエスト・フォー・モア Quest For More が9対2で1番人気に支持されていました。
先ず先手を取ったのは4番人気(6対1)のビッグ・オレンジ Big Orange でしたが、3ハロン地点から唯1頭の3歳馬で8番人気(14対1)のヴィーヴ・マ・フィーユ Vive Ma Fille がこれを交わしての逃げ。しかし残り1ハロンで逃げ馬がバテると、一旦2番手に控えたビッグ・オレンジと、3番手から伸びる本命クエスト・フォー・モアの叩き合い。更に前半は中団に待機していたトリップ・トゥー・パリも内を衝いて鋭く追い上げ、3頭がほぼ一戦でゴールするスリリングな大接戦。写真判定の結果、ビッグ・オレンジが首差でクエスト・フォー・モアを抑えて優勝、短頭差でトリップ・トゥー・パリが3着。ハンデを背負ったトリップ・トゥー・パリの健闘が光りました。

マイケル・ベル厩舎、ジェイミー・スペンサー騎乗のビッグ・オレンジは、前走ニューマーケットのプリンセス・オブ・ウェールズ(GⅡ、1マイル半)で距離が短いながらも勝ってサプライズを演じた4歳馬。2マイルをステイしながら、1マイル半のGⅡに勝つスピードも持ち合わせているという多彩なプロフィールの持ち主です。11月のメルボルン・カップが楽しみ。

3日目の最後はリリー・ラングトリー・ステークス Lillie Langtry S (GⅢ、3歳上牝、1マイル6ハロン)。14頭が揃う難解なレースでしたが、結局は前年の2着馬で、今期はリステッド戦に2戦しているアラビアン・コメット Arabian Comet が4対1の1番人気。4対1(日本なら単勝5倍)のオッズでも1番人気と言うことは、如何に評価が割れていたかの証拠でもあります。
8番人気(16対1)でデットーリ騎乗のクライテリア Criteria が逃げましたが、勝負所からは次々と後続各馬が襲い掛かる展開となり、最後は中団から伸びたジョイント6番人気のシンプル・ヴァーズ Simple Verse が抜け、2番人気(9対2)のヒドゥン・ゴールド Hidden Gold に1馬身半差を付ける形で決着。更に2馬身半差で4番人気(7対1)のヨルダン・プリンセス Jordan Princess が3着に入り、アラビアン・コメットは7着敗退。

勝ったシンプル・ヴァーズは、出走馬中唯1頭の3歳馬で、負担重量が1ストーン(14ポンド)も軽かったという馬齢重量差も然ることながら、改めて今年の3歳馬レヴェルの高さを証明しました。レイフ・ベケット厩舎、ハリー・ベントリー騎乗で、3歳デビュー3戦目にリングフィールドで初勝利。続くグッドウッドのハンデ戦で2着となり、前走ソールズベリーのハンデ戦に続く2連勝。次走はドンカスターのパーク・ヒル・ステークスが順当ですが、陣営は追加登録してセントレジャーで牡馬に挑戦と言うプランも排してはいません。典型的なステイヤー・タイプだけに、9月のドンカスターではどちらに進むかが注目されます。

 

Pocket
LINEで送る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください