シャーガー・カップの裏番組

少し遅れましたが、昨日、8月6日に行われた英国競馬レポートです。
この日はアスコット競馬場でジョッキーのオリンピックとても言うべきシャーガー・カップが行われ、日本からも池添謙一ジョッキーが参加したのですが、スポーツ関係のニュースでも余り取り上げられていないようです。
それも其の筈、どうやら昨日からブラジルの世界大運動会が始まっているようで、スポーツ紙の関心は南米に向いたまま。競馬は完全に裏番組扱いで、池添騎手がシャーガー・カップ個人部門で銅メダル、海外選抜というチーム戦では金メダルを取ったというニュースもほとんどのスポーツ愛好家には知られていないでしょう。

シャーガー・カップではG戦は行われず、出走馬もトップクラスは出ません。どの馬に誰が乗るかも抽選で、言って見れば籤運の強い人が勝つという競技。実は当ブログでも余り関心が無いので、裏番組シャーガー・カップの更に裏。裏裏番組だったG戦2鞍をコッソリと紹介しておきましょう。

先ずニューマーケット競馬場で行われたスイート・ソレラ・ステークス Sweet Solera S (GⅢ、2歳牝、7ハロン)は、散水を施したうえでも good to firm という固い馬場となり9頭立て。先月同じニューマーケットで新馬戦を2馬身差で快勝したゴドルフィンのその名もイージー・ヴィクトリー Easy Victory が15対8の1番人気に支持されていました。
レースは2番人気(4対1)のネイションズ・アレキサンダー Nations Alexander が果敢に飛び出し、これを外から先行しながら追走した3番人気(9対2)のグレシァン・ライト Grecian Light に1馬身半差を付ける逃げ切り勝ち。2番手を追走していた4番人気(5対1)のオン・ハー・トーズ On Her Toes が首差の3着に入り、人気のイージー・ヴィクトリーは先行するも、最後の1ハロンでは虚しく後退し、8着惨敗に終わりました。

勝ったネイションズ・アレキサンダーは、前走7月ニューマーケットのジュライ開催で行われたダッチェス・オブ・ケンブリッジシャー・ステークス(GⅡ)で3着していた馬で、リチャード・ハノン厩舎、パット・ダブス騎乗。ヘイドックでデビューから2戦続けて2着し、ニューマーケットのリステッド戦(6ハロン)で初勝利を記録していました。そのあとが上記ニューマーケット・ジュライ・ミーティングでのG戦3着。
ハノン師によれば、アイルランドのモイグレア・スタッド・ステークス(GⅠ)に追加登録したそうで、来年の1000ギニーに25対1のオッズが出されました。

続いてもう一鞍が、ヘイドック競馬場で行われたローズ・オブ・ランカスター・ステークス Rose of Lancaster S (GⅢ、3歳上、1マイル2ハロン95ヤード)。こちらも good to firm と夏競馬らしい馬場に1頭が取り消して6頭立て。前走ニューバリーの10ハロンを含めリステッド戦に2勝しているゴドルフィンのスコティッシュ Scottish が7対4の1番人気。
そのスコティッシュがスタートからハナを奪って逃げ切る作戦に出ましたが、2番手を追走していた4番人気(10対1)のロイヤル・アーティラリー Royal Artillery が本命馬を1馬身4分の1差捉えて優勝。ハナ差の3着には、先行した2番人気(9対4)のアラブ・スプリング Arab Spring が入っています。

勝ったロイヤル・アーティラリーは、クールモア・グループの所有馬ながら珍しく英国でジョン・ゴスデン師が管理している3歳馬。一時はクラシック候補の1頭として名前が挙がっていたほどで、今回はアイルランドからコーム・オダナヒューが遠征して騎乗していました。
2歳時にはドンカスターでデビュー勝ちした1戦のみ。今期はサンダウンのリステッド戦(1マイル)4着から始動し、前走ロイヤル・アスコットのターセンテナリー・ステークス(GⅢ)で5着と健闘。G戦2度目の挑戦で2勝目を挙げ、本格的に活躍するのはこれからでしょう。

 

 

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