オブライエン厩舎に一矢

続いてアイルランド、レパーズタウン競馬場で行われたマイルGⅢ戦のデスモンド・ステークス Desmond S (GⅢ、3歳上、1マイル)を取り上げましょう。こちらも馬場は good to firm と固く、白夜の時期らしく夜7時半スタートでした。8頭が出走し、去年のBCジュヴェナイル・ターフ(GⅠ)以来久し振りの競馬となる3戦無敗のヒット・イット・ボム Hit It Bomb が13対8の1番人気。去年のクーガー・マウンテン Cougar Mountain に続き、エイダン・オブライエン厩舎がこのレース6勝目を目指します。そのクーガー・マウンテンも連覇を掛けて7対2の3番人気。
レースは最低人気のドント・ボサー・ミー Dont Bother Me の逃げで始まり、ヒット・イット・ボムは4番手から3番手へと徐々に進出。いざ最後のスパートに差し掛かると、やはり長期休養明けが堪えたのか瞬発力は不発。替って5~6番手辺りを追走していた4番人気(9対1)のトライバル・ビート Reibal Beat が抜け出し、後方から追い込むクーガー・マウンテンに1馬身4分の3差を付ける逆転勝ちです。首差で何とかヒット・イット・ボムが3着を死守し、一昨年の勝馬で2番人気(2対1)だったカスタム・カット Custom Cut が頭差で4着。

2・3着となったエイダン・オブライエン厩舎に一矢を報いたトライバル・ビートは、ジム・ボルジャー厩舎、ケヴィン・マニング騎乗の3歳馬で、実はこの馬も本命馬より更に6日間も長い長期休養明け。去年4戦目にナースで未勝利戦に勝った後、キラヴュラン・ステークス(GⅢ)で2着したあと長い休養に入っていました。その意味では休み明けが勝敗を決して訳ではなさそうです。
ボルジャー師もこのレースとは縁が深く、今回が6勝目。但し前回勝ったのは1997年のことでしたから、実に19年振りの快挙でした。

一方敗れたオブライエン師は2頭の走りに満足。クーガー・マウンテンは去年、息子で現在は調教師のジョセフ・オブライエン騎乗での勝利でしたが、今年は師の一番下の息子で未だティーンエイジャーのドナーチャ・オブライエン Donnacha O’Brien が騎乗していました。
また3着のヒット・イット・ボムは一叩きされ、次回は能力通りの競馬が出来そう、と前向きです。

 

 

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