BBCウェールズ管演奏会、第一夜
8月11日と12日は二日続けてBBCウェールズ・ナショナル管が登場します。指揮は共に首席指揮者のトーマス・ソンダーガード
両日ともにBBCが委嘱し、今プロムスで世界初演される協奏曲が含まれることが共通しています。その初日は、
8月11日 ≪Prom 35≫
バルトーク/舞踏組曲
マルコム・ヘイズ Malcolm Hayes/ヴァイオリン協奏曲(BBC委嘱作品、世界初演)
~休憩~
ドヴォルザーク/交響曲第7番
BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団 BBC National Orchestra of Wales
指揮/トーマス・ソンダーガード Thomas Søndergård
ヴァイオリン/タイ・マレー Tai Murray
バルトークとドヴォルザークはいつでも聴ける、というほどの作品ではありませんが、特に珍しいものでもないので態々書くことも無いでしょう。
ということで注目は2曲目の新作初演。作曲家のマルコム・ヘイズは1951年生まれで、アングロ=アイリッシュの血筋だそうです。ナクソスのNMLにも名前が挙がっていませんし、少し前のオックスフォード音楽辞典でも項目が見付かりませんでした。
私にとっては謎、というか未知の作曲家ですが、ホームページは見つけました。
http://www.malcolmhayes.co.uk/page5.htm
従って新しい作品を聴いただけの印象ですが、24分ほどかかる単一楽章の協奏曲で、オーボエ・ダモーレが使われているのが特徴でしょうか。
大音量が炸裂したり、情熱的に盛り上がったりする箇所が全く無い静謐な音楽で、ヴァイオリンのソロも高音部で細かい音を繊細に刻んでいく様なスタイル。技巧的にはそれなりの難度があるのでしょうが、テクニックで圧倒するような協奏曲じゃありません。
ソロのタイ・マレーという方はシカゴ生まれの女性奏者(黒人)で、イザイの無伴奏ソナタ全曲アルバムでCDデビューしたそうです。もちろんNMLでも聴くことが出来ます。来日は未だじゃないでしょうか。
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