ニューバリーの夏競馬

イギリスの夏競馬と言えばグッドウッド競馬場のグローリアス開催、ヨーク競馬場のイボア開催が有名ですが、その間に挟まれるようにして行われるのがニューバリーの夏開催です。
と言っても開催そのものは2日間だけ、G戦も二日目に行われる2鞍だけですが、馬場も乾いて高速競馬が期待されます。

昨日、8月13日はそのニューバリー競馬場の夏開催2日目。行われた2鞍のG戦を紹介しましょう。馬場は期待通り good to firm で、騎乗したジョッキーの話では firm (固い馬場)に近いとのことでした。
先ずジェフリー・フリーア・ステークス Geoffrey Freer S (GⅢ、3歳上、1マイル5ハロン61ヤード)は5頭立て。こういう馬場を得意にしているキングズ・フィート Kings Fete がイーヴンの1番人気。前走グローリアス・グッドウッドでグローリアス・ステークス(GⅢ)に勝ったペナルティー2ポンドを背負っていましたが、ここは実績から連勝が期待されます。

そのキングズ・フィート、スタートから積極的に飛ばしてスピードを活かし、4番手から追い上げる5番人気(8対1)のドイツ馬オルミート Ormito に1馬身4分の1差を付ける逃げ切り勝ちです。鞍上も見せムチだけ、負担重量を考えれば着差以上の楽勝だったと言えるでしょう。3番手を追走していた3番人気(6対1)のレッド・カーディナル Red Cardinal が頭差の3着。
サー・マイケル・スタウト厩舎、パット・スマーレン騎乗のキングズ・フィートは、前走グッドウッドでGⅢを勝った時に詳述したように、3歳時にはセントレジャーらも挑戦した器。このあとフランスのドーヴィル大賞典(GⅡ)にも登録があるということで、遠征の可能性もあります。

そしてもう1鞍がハンガーフォード・ステークス Hungerford S (GⅡ、3歳上、7ハロン)。1頭が取り消して6頭立てとなり、前走グローリアス・グッドウッドではレノックス・ステークス(GⅡ)で2着惜敗となり3連勝を逃したゴドルフィンのホーム・オブ・ザ・ブレイヴ Home Of The Brace が7対4の1番人気。
こちらもホーム・オブ・ザ・ブレイヴがスピードに任せて逃げ切る作戦に出ましたが、後方に待機していた最低人気(11対1)のリチャード・パンクハースト Richard Pankhurst が馬群を縫うようにして進出し、本命馬を1馬身捉える番狂わせ。4分の3馬身差の3着には、4番手を追走していた5番人気(10対1)のダーク・エメラルド Dark Emerald が食い込んでいました。

勝ったリチャード・パンクハーストは、本命馬と同じゴドルフィンの所有馬で、ジョン・ゴスデン厩舎、ロバート・ハヴリン騎乗の4歳牡馬。2歳時にはロイヤル・アスコットでチェシャム・ステークス(リステッド戦)に勝つほどの才能でしたが、壊れやすいタイプの馬。その後は2年間で4戦しかしておらず、3歳初戦にヘイドックで7ハロンの条件戦に勝って以来の勝鞍となりました。
今期はサマー・マイル(GⅡ)5着から始動し、前走サセックス・ステークスに挑戦するも10頭立ての最下位。何時走るか判らないという気分屋な面もありますが、一発が嵌ればGⅠ奪取の可能性も。来年のロッキンジ・ステークスがその候補ではないか、と陣営でも見ているようです。

 

 

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