東西、夏の2歳チャンピオンは?

9月5日はレーバー・デイの休日、アメリカの夏競馬が終わる日でもあります。東のサラトガ、西のデル・マー共にG戦フィナーレは、夏の2歳馬チャンピオン決定戦が行われました。

サラトガ競馬場の最終日はG戦2鞍。バーナード・バルーク・ハンデキャップ Bernard Baruch H (芝GⅡ、3歳上、8.5ハロン)は firm の馬場に1頭が取り消して9頭立て。前走フォースターデイヴ・ステークス(芝GⅠ)は6着だったものの、去年フランク・キルロー・マイル(芝GⅠ)を制しているリング・ウイークエンド Ring Weekend が5対2の1番人気。
4番人気(9対2)のテイク・ザ・スタンド Take the Stand が逃げ、直線も内ラチ沿いに粘りましたが、4番手を追走したリング・ウィークエンドと5番手から伸びた2番人気(3対1)のジェイ・ギャッツビー Jay Gatsby が並んで追い上げ、3頭が馬体を接してのゴール。一番外の本命馬が中のジェイ・ギャッツビーに首、更に最内のテイク・ザ・スタンドにハナ差で競り勝っていました。一応審議になりましたが、入線通りで確定。勝時計1分38秒29は、去年のこのレースで出たレコードを更に上回るコース・レコードでした。
グレアム・モーション厩舎、ジョン・ヴェラスケス騎乗のリング・ウイークエンドは、去年キルロー・マイルに勝ってGⅠ馬の仲間入りを果たした後、今期は5月にピムリコのディキシー・ステークス(芝GⅡ)で2着、前走6着ときて3走目での初勝利。これで17戦6勝となる5歳牡馬です。

そしてサラトガのグランド・フィナーレがホープフル・ステークス Hopeful S (GⅠ、2歳、7ハロン)。7頭が出走し、7月にチャーチル・ダウンズでバシュフォード・マナー・ステークス(GⅢ)に勝ったクラシック・エンパイア Classic Empire が8対5の1番人気。
そのクラシック・エンパイア、スタート直後に落馬して波乱の様相。5番人気(15対1)のロイヤル・コピー Royal Copy と6番人気(25対1)のプリティー・ボーイ・フラッシュ Pretty Boy Flash とがスタートから激しいハナ争いを演じ、2頭譲らぬまま直線。これを4番手で追走していた2番人気(2対1)のプラクティカル・ジョーク Practical Joke が2頭を外から捉えた所がゴール。内ラチ沿いに粘ったロイヤル・コピーが首差で2着、真ん中に挟まれる格好のプリティー・ボーイ・フラッシュはハナ差で3着でした。
チャド・ブラウン厩舎、イラッド・オルティス騎乗のプラクティカル・ジョークは、8月6日にサラトガで2着に5馬身差を付けてデビュー勝ちした馬。いきなりのGⅠ戦挑戦で2戦2勝としました。将来性はこれからの成績次第でしょう。

一方西のデル・マー競馬場の最終G戦はデル・マー・フューチュリティー Del Mar Futurity (GⅠ、2歳、7ハロン)。ここ3年、カリフォルニア・クローム California Chrome (6着)、アメリカン・フェイロー American Pharoah (優勝)、ナイクィスト Nyquist (優勝)と続けて名馬を生んでいるレースで目が離せません。今年は fast の馬場に6頭が参戦し、8月6日のデル・マーで2着に10馬身以上の差を付けて圧勝したストレート・ファイア Straight Fire が4対5の断然1番人気。
そのストレート・ファイアがスタートから飛び出して逃げ切りに持ち込む作戦でしたが、4番手を追走していた2番人気(5対2)のクリムト Klimt が第4コーナーで外から並びかけ、本命馬に4馬身4分の1差を付けて西のチャンピオンに就きました。1馬身半差で2番手を追走していた4番人気(11対1)のミッドナイト・プレジャー Midnight Pleasure が3着。
このレース何と13勝目となるボブ・バファート厩舎、ラファエル・べハラノ騎乗のクリムトは、8月13日デル・マーのベスト・パル・ステークス(GⅡ)に続いてG戦2連勝となります。6月サンタ・アニタのデビュー戦こそ4着でしたが、そのあと3連勝。東のホープフルを制したプラクティカル・ジョークとの対決は何時になるでしょうか。ところで2頭は牝系がアメリカン・ファミリーの出というのが共通点で、その点ではカリフォルニア・クロームの後継馬でもあります。

レイバー・デイの最後に、パークス・レーシング競馬場で行われた3鞍のG戦を簡単に紹介しておきましょう。
先ずグリーンウッド・カップ Greenwood Cup (GⅢ、3歳上、12ハロン)は fast の馬場に6頭立て。6対5の1番人気に支持されたスクーバ Scuba が、4番手から伸びたハウカーム Hawaakom に5馬身の大差を付けて逃げ切り勝ち。更に12馬身差で最後方から追い込んだ5番人気(6対1)のボディーサトヴァ Bodhisattva が3着。
勝ったスクーバはブレンダン・ウォルシュ厩舎、ケンドリック・カームーシュ騎乗の5歳せん馬で、今期モンマス・カップ(GⅡ)で2着の実績がありました。

2つ目のターフ・モンスター・ハンデキャップ Turf Monster H (芝GⅢ、3歳上、5ハロン)は、firm の芝コースに2頭が取り消して10頭立て。
パークス・ダッシュ(芝GⅢ)2着のパワー・アラート Power Alert が8対5の1番人気に支持されていましたが、7番人気(23対1)の伏兵ドクター・ジェイ・ダブ Doctor J Dub が最低人気(35対1)のトゥー・ノッチ・ロード Two Notch Road に半馬身差を付けて逃げ切り勝ち。更に1馬身で2番人気(3対1)のプール・ウイナー Pool Winner が3着に入り、パワー・アラートは5着に敗れる波乱となりました。審議がありましたが着順に変更はありません。
勝ったドクター・ジェイ・ダブはイェナ・アントヌッチ厩舎、シェルドン・ラッセル騎乗の6歳せん馬。今期ガルフストリームの5ハロン一般ステークス(ボブ・アンフリー・ターフ・スプリント・ステークス)に勝っていますが、G戦は初勝利。

最後はスマーティー・ジョーンズ・ステークス Smarty Jones S (GⅢ、3歳、8.5ハロン)。14頭の多頭数が揃い、ロザリオ騎乗の2勝馬スティックスステイトリーデュード Sticksstatelydude が2対1の1番人気。
結果は大外14番枠スタートの6番人気(10対1)オウサム・スルー Awesome Slew の逃げ切り勝ちで、この日のG戦3鞍は全て逃げ切りでの決着となりました。7馬身の大差で2番人気(5対1)のワイルド・アバウト・デブ Wild About Deb が2着、更に4馬身差で10番人気(25対1)のシーキング・ザ・ソウル Seeking the Soul が3着に入り、スティックスステイトリーデュードは4着に終わりました。
勝ったオウサム・スルーはエドワード・プレーサ厩舎、パコ・ロペス騎乗で、モンマス・パークのペガサス・ステークス(GⅢ)で3着したことがありました。これで通算成績は5戦3勝3着1回。

 

 

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